猫に寄り添う人の気持は世界共通ニャ!岩合光昭氏の新しい写真集「スタンド・バイ・ニャー」
日本を代表する動物写真家・岩合光昭さんが世界34ヶ国で出会った猫たちの姿を収めた写真集「スタンド・バイ・ニャー」が2020年4月27日に刊行されます。
タイトルを見てすぐに連想されるのがスティーブン・キング原作の映画「スタンド・バイ・ミー」。
子どもの頃の小さな冒険と友情を描いた名作映画で、直訳すると「私のそばにいてね」といったような意味になりますが、それに倣うとスタンド・バイ・ニャーは「猫のそばにいるよ」。
その名のとおり、本書は猫の写真集でありながら猫に寄り添う人の姿も捉えられているのが特徴で、さまざまな国・地域・気候風土の中で生きる老若男女が登場。美しい棚田が広がる村で猫と一緒に暮らすいブータンの少女や、亡くなった先代猫の足跡を自身の足にタトゥーで施したノルウェーの少女など、異なるバックグラウンドを持つ人々に共通しているのは「猫を愛していること」です。
穏やかで幸せそうな表情や写真全体に漂う平和な空気からは、人種や文化が違っても変わらぬ猫と人間の深い絆、人間が猫とともに生きることの意味を考えさせてくれます。
一方、主役である猫たちが人に寄り添って生きている姿も大きな見どころ。
「ネコはヒトと寄り添うことで生きることができるのです」
とは本書で語られている岩合さんの言葉で、元気な子供にはされるがままに、物静かなお年寄りの近くでは安らかに、まるで猫が人に呼吸を合わせているかのような自然体の姿が捉えられていて、ともに生きている人間に対する猫の信頼が伝わってきます。
また、岩合さんがネコを撮影する時に大切にしているのが、その土地土地の風景です。
本書では砂漠、湖、海岸といった雄大な自然から大都市まで、岩合さんが5つの大陸を股にかけて撮影した多彩な風景が収録されており、イタリアの険しい海岸線沿いに色とりどりの家屋が立ち並ぶ村や、日本出身の女性が暮らす世界最大級の砂漠なども登場。
写真を眺めているだけで世界一周旅行さながらの読後感を味わえるほか、現代で失われつつある光景の美しさとそこで平和に共生している猫と人間の姿が、かけがえのない尊い日常風景であることを感じさせてくれる、そんな一冊となっています。
<撮影国リスト>
アイスランド、アイルランド、アメリカ、アラブ首長国連邦、イギリス、イタリア、インドネシア、ウルグアイ、オーストラリア、カナダ、カンボジア、キプロス、キューバ、クロアチア、シンガポール、スイス、スペイン、スリランカ、タイ、タンザニア、チリ、ノルウェー、フィジー、ブータン、ブラジル、フランス、ベトナム、ペルー、マルタ共和国、マレーシア、モルドバ、モロッコ、ルーマニア、中国(全34ヶ国)
(C) Mitsuaki Iwago/ TATSUMI PUBLISHING CO.,LTD.