猫と小鳥の心温まるストーリーが心に響く、美しい水彩画で描いたファンタジー絵本『ねことことり』

猫と小鳥の心温まる物語を描いたファンタジー絵本『ねことことり』が今月刊行。
それを記念した原画展やパネル展が開催されます。

猫と小鳥の心温まる物語を描いたファンタジー絵本『ねことことり』表紙イメージ
表紙イメージ

本書は木の小枝を束ねる仕事をしている猫と、その枝を求めて猫のもとに通う小鳥の物語で、環境や価値観が違っても、互いに歩み寄ることの大切さを描いた作品。

ねことことり、それぞれの視点から見える「しあわせ」とは……?

<あらすじ>
ねこの仕事は、こぶしの木の小枝をたばねること。
ある朝、ねこが仕事をしようとすると、窓にことりが止まりました。
「……お願いがあります。そこにある小枝を少し、分けてもらえないでしょうか?」
今にも泣き出しそうなことりをみて、ねこは、一日一本ずつ、小枝をあげることに……。

家で紅茶を飲む猫 by 絵本『ねことことり』のワンシーン
おうちで紅茶を飲む「ねこ」

猫に小枝をもらって飛んでゆく小鳥 by 絵本『ねことことり』のワンシーン
小枝をもらって飛んでゆく「ことり」

特別な枝を求めて、猫のもとへやってきた小鳥。
異なる環境のなかで、密接に交わり合うふたり。

互いに歩み寄る思いや、幸せの価値を描いたファンタジー物語で、日々の営み、共生、命の循環を美しくドラマチックに紡いだ作品となっています。

話し込む猫と小鳥 by 絵本『ねことことり』のワンシーン
心を通わせてゆく「ねこ」と「ことり」

心温まるストーリーの作者は『あまがえるのかくれんぼ』『がろあむし』『ソロ沼のものがたり』などの児童書を手がけている絵本作家・舘野鴻(たてのひろし)さん。一方、作品を彩る美しい細密画を担当しているのは、水彩を使って細密な絵を描く画家・なかの真実さん。

作中では猫と鳥が言葉を交わす幻想的な世界観を表現しつつも、豊かな自然がリアルに描かれていて、まるで実在する世界のように感じられるのも魅力的。このリアルなイラストは、長野県 八ヶ岳のふもとを実際に訪れ、景観や植物を取材して描かれたものなのだそうで、ページの隅々までじっくりと眺めたくなる絵も見どころの一つとなっています。

舘野鴻×なかの真実による共作絵本『ねことことり』
リアルで美しい水彩画に注目

本書の刊行を記念して、長野県安曇野市にある絵本美術館「森のおうち」では、2022年10月7日(金)~2023年1月24日(火)まで原画展を開催。10月10日(月祝日)と11月26日(土)のイベント終了後には、作者の舘野鴻さん&なかの真実さんによるサイン会が予定されています。
※イベントは完全予約制

原画展は2023年3月以降、全国の書店にて巡回開催が予定されているほか、東京・立川駅構内にある本屋「PAPER WALL エキュート立川店 」では、2022年10月16日(日)~11月3日(金・祝)にパネル展も開催される予定となっています。

書名:ねことことり
文 :たてのひろし
絵 :なかの真実
仕様:A4変判/32ページ
発行:世界文化社
発売:2022年10月4日(火)

<参考>
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