日本で一番ゆる〜い論語の解説書?かわいい猫の写真と一緒に楽しく学べる「ねころん語」
ビジネスや日常会話など、さまざまな場面で耳にすることも多い『論語(ろんご)』。
論語は古代中国で活躍した思想家・孔子(こうし)と弟子の言行を、孔子の死後に弟子たちが記録した書物のこと。
人間として守るべき道徳を簡潔な言葉で記した同書は、生きて行くうえでの悩みや迷いを読み解くヒントとして、中国をはじめ日本でも長きにわたって読み継がれています。
とは言っても2000年以上前の本であるため、現代語訳に加えて注釈がないと理解するのが困難なほか、人によって孔子の言葉の解釈は異なることから多くの解説本が登場。漫画で解説したものや、ギャル語で解説したものなど、さまざまな書籍が発売されています。
本書はそんな論語を、ネコ好きな人が楽しく学べるように考案された書籍。
全3章構成で各章には16〜17ほどの論語が掲載されており、「バランスよく生きよう!」 「お金のために、働いてない?」 「たまには、グチるのもよし」など、かわいい猫の写真を交えながら論語を分かりやすく解説しています。
<主な内容>
第一章 生きるってなんだろうでは
第二章 出会いは大事
第三章 志を持とう!
コラム
あとがき
例えば論語に記されている「子の曰わく、君子は器ならず」という言葉。
これは現代語訳にすると、以下のような意味になるのだとか。
先生がいわれた、「人の上に立つ君子は、ひとつのことに偏らず、幅広くいろいろなことに通じていないといけないよ」。
一見もっともらしい言葉ですが、これだけではどこか漠然としていて、なかなか自分ごととして捉えるのは難しい。そこで言葉の意味をより深く理解できるように解説が用意されています。
孔子が生きた時代は祭祀によって使用する器が決められていましたが、これは現代でも同じでお米はお茶碗、ラーメンはラーメンどんぶりといった具合に、それぞれの用途に合った器があります。
人間でも同じことで、例えば会社勤めをしている人であれば営業畑、総務畑といったように過去の経験から自分の器を規定してしまいがち。しかし、そうではないと説いているのが件の言葉。
人の上に立つリーダーはそういうものを捨てていく、いわば既に習得したものをアンラーニング(一度学んだ知識や価値観を捨て、再び学び直すこと)しながら、常に新しいものを学んでいく、そういった姿勢がとても重要になるという意味が「子の曰わく、君子は器ならず」の短い言葉には込められているのだとか。
そして、ページ右側にあるネコの写真やメッセージは、そうした言葉の解釈を緩やかに表現しています。
本書ではこのような論語に記されている50の名言を収録。孔子が生きた時代のことを現代に置き換えたり、身近な例を交えたりしながら、言葉の意味するところについて解説を展開していきます。
また、巻末には「孔子ってどんな人?」「論語って何?」といった基礎的なことから、「孔子を取りまく人々」「殷周革命と日本史」など、論語への理解がより深まるコラムも掲載。
論語がどんなものか少しは興味があったけれど、なんだか難しそうで敬遠していた……。本書はそんな人でも肩肘張らずにゴロンと寝転びながら、ネコと一緒に楽しく論語を学べる一冊となっています。
<参考>
・猫のように生きる71の極意を伝授!写真でも癒やされるエッセイ集「ニャンコ流でお気楽人生」
・猫をイメージして5分でリフレッシュ!猫の写真を眺めながら瞑想を学べる書籍「ねこ瞑想」
・猫のように生きるのニャ!元ホームレスの男性が野良猫から学んだ教訓本「ボブが教えてくれたこと
画像提供:KANZEN