猫の短歌&エッセイをつづった書籍『これから猫を飼う人に伝えたい11のこと』原画展も開催中
猫にまつわる短歌を詠む歌人・仁尾 智(にお さとる)さんの新刊『これから猫を飼う人に伝えたい11のこと』が8月5日に刊行されました。
著者の仁尾さんは、もともと特定のテーマにこだわらず字数制限のない五行歌を作っていたものの、2004年頃に歌人・枡野浩一さんのブログと出会い短歌の制作を開始。
私生活では何匹もの猫を保護したり、里親に出したり、看取ったりしながら、現在は5匹の猫と暮らしているという愛猫家で、歌の内容も徐々に猫をテーマにしたものへと変化していき、2007年からは猫専門誌『ネコまる』で、2016年からは姉妹誌『猫びより』で連載を手掛けるなど猫歌人・猫エッセイストとして活動しています。
そんな仁尾さんは2015年に、猫の保護や譲渡活動などを行うNPO法人東京キャットガーディアンで開催されたパネル展「これから猫を飼う人に伝えたい10のこと展」に参加。本書はその時の冊子を元に短歌やエッセイを加筆修正し、新たに描き下ろしたイラストを加えて再構成した書籍で、テーマごとに短歌とエッセイが綴られています。
▽これから猫を飼う人に伝えたい11のこと
1. 二十年/ 2. 去勢・避妊/ 3. 名前/ 4. 期待/ 5. いたずら/ 6. 複数飼い/ 7. 室内飼い/ 8. 魅力/ 9. 外の猫/10. 心がけ/ 11. 別れ
例えば「二十年」をテーマにした短歌は、「僕の手に もう生傷がないことで 子猫が猫に なったと気づく」という五・七・五・七・七の五句で構成。
ここで言う「二十年」というのは長生きした猫の寿命のことを表していて、仁尾さん自身はこれまでの二十年間を振り返ってみると、思いも寄らないことがたくさん起こってきたと述懐。
これから猫を飼おうと思っている読者に対しても、この先二十年の間にいつでも猫が一緒にいることを前提に人生を想像して欲しい、そして猫を飼うというのはその一生をまるごと引き受けることであると知って欲しいと、歌に込めた思いをつづっています。
その他にも、猫あるあるな内容の歌が収録されていて、猫を飼いたい人にとっては参考になると同時に、猫を飼っている人には思わず共感してしまう作品ばかり。
▽期待
「入ってた 袋のほうで じゃれる猫 僕の選んだ おもちゃをよそに」
▽いたずら
「猫がしちゃ いけないことの ない家で しなくていいこと ばかりする猫」
優しいタッチの手書き文字と水彩画は、イラストレーターの小泉さよさんが描いたもので、心に染みる歌に温もりと彩りを与えています。
初版には、グリーティングカードとしても使える命名書が付属。
猫を家族として迎え入れた際に名前を書き込んで飾ることができるほか、すでに猫と暮らしている人や以前猫を飼っていた人は、愛猫へのメッセージとして書き込むことができます。
その他にも購入者特典として、一部の書店では特製ポストカード(全3種のうち1枚)をプレゼントしてもらえるほか、Amazon限定版では別絵柄のポストカードが封入。
東京・三軒茶屋の猫スタッフがいる猫本専門店「キャッツミャウブックス」では、本書の出版を記念した原画展が8月30日(月)まで開催されています。
<参考>
・世界初?猫の短歌を詠む歌人、仁尾智さんによる短歌&エッセイ集「猫のいる家に帰りたい」
・百人一首の歌をひと言で表現すると…?猫のイラスト付きで学べる解説本「5文字で百人一首」
・登場するキャラクターはすべて猫♪ニャンと楽しい猫で覚える歌舞伎の入門書「かぶきねこさがし」
画像提供:TATSUMI PUBLISHING CO.,LTD.