寄り添い合う姿が微笑ましい、認知症の犬と介護する猫の交流を描いたフォトブック「くぅとしの」
認知症を患っている柴犬「しの」と、それを甲斐甲斐しく介護する猫「くぅ」の温かい交流を描いたフォトブックが5月25日に辰巳出版より刊行されます。
「しの」は推定19歳のおばあちゃん犬。
2011年のある朝、車で通勤中の飼い主さんにケガをしていたところを保護され、家族に迎え入れられたワンコ。現在は認知症と白内障があり、目もほとんど見えず耳も遠いため、ゴハンや排泄、寝起きなど生活の全てで介助が必要なのだとか。
一方の「くぅ」は2012年、飼い主さんが仕事のお昼休憩中に保護された元野良猫。
どちらも外の過酷な環境で暮らしていたことから当初は健康状態が悪く、飼い主さんと家族の懸命なお世話によって回復し、現在は幸せな日々を送っています。
そんな2匹が出会ったのは2013年の夏。その頃庭の犬小屋で暮らしていた柴犬の「しの」は室内の様子には気づかず、「くぅ」の一方的な一目惚れから始まりました。
やがて「しの」は認知症を発症。狭い場所や家具のすき間などに挟まるようになり、後ずさりもできなくなってしまったほか、病気が進行するにつれて歩行や食事などにも支障をきたすようになります。
認知症の兆候が現れはじめると、「しの」が大好きな「くぅ」は24時間付きっきりでお世話を開始。ふらついて倒れないよう先回りして支えたり、顔が枕から落ちているときはそっと鼻で押し上げて直してあげるようになります。
そんなふたりの様子を飼い主さんがSNSでUPすると、瞬く間に世間の話題に。
その後も「しの」の認知症と老化が進むにつれて「くぅ」の介護の技は上達。寄りかかってくる体を全身で支えながら歩いたり、止まって動けなくなった時に頭や尻尾で進行方向へ誘導したりと、まるで人間さながらの手厚い介護でサポート。
健気な「くぅ」の愛情とぬくもりは、ちゃんと「しの」にも伝わっていて、「くぅ」がそばにいると安心した表情になり、一緒に添い寝をするとひとりで寝る時よりも長くぐっすり眠ることができるのだとか。
広島在住の著者・晴(はる)さんは、「くぅ」と「しの」の他に6匹の保護猫たちと暮らしている大家族。一家の賑やかな日常をつづったブログ「ひだまり日和」は多くのファンに親しまれています。
本書はそんな大家族の「くぅ」と「しの」に焦点を当てたフォトブックで、ふたりの間にいつも流れている、穏やかでゆったりとした時間を感じられる一冊となっています。
書名:くぅとしの
仕様:A5変型判/112Pオールカラー
出版:辰巳出版
発売:2019年5月25日
画像提供:©TATSUMI PUBLISHING 2019.