猫も遊べるネコ型ドローンをドコモが開発!飛行船のように屋内を移動できる「にゃろーん」
NTTドコモは猫の日である2021年2月22日、猫の形をした屋内型ドローン「にゃろーん」を開発したと発表しました。
ドローンとは無人航空機のことで、一般的にはプロペラを高速回転させて飛行する小型の機体がイメージされがちですが、これは空気より軽いヘリウムガスを充填して、ぷかぷかと浮かぶバルーンのようなもの。
もちろんドローンというだけあって空中を移動することができるのですが、本体にはプロペラのような羽がついておらず、どのような仕組みで動くのか一見しただけでは分かりません。
そのヒミツは風船の両サイドに付いている「マイクロブロア」。
これは村田製作所が開発した超音波振動を発生させる小型の電子機器。
振動を利用して空気を「吸引→圧縮→吐出」するポンプのようなメカニズムで自ら風を起こし、その風を推進力にすることで「にゃろーん」の空中移動を可能にしているのです。
発表と同時に公開されたプロモーションムービーでは、愛猫家の俳優として知られる田中要次さんがナレーションを担当。
映像には猫じゃらしを取り付けたまま飛行する「にゃろーん」と猫が戯れたり、追いかけっこをしたりするなど、一緒に遊んでいる様子が映し出されています。
猫は警戒心が強い動物なので、ドローンが近づくと逃げてしまいそうなものですが、この「にゃろーん」にはプロペラがないため、飛行する時の音は人間の耳にほとんど聞こえないレベル。
猫を怖がらせることなく静かに接近して一緒に遊ぶことができるほか、秒速20cmというゆったりとしたスピードでふわふわと漂うように飛行するので、猫の体にぶつかって怪我をさせてしまう心配もありません。
見た目が可愛らしい猫の形をしているので、浮かんでいるだけで楽しげな雰囲気を演出してくれそうです。
「にゃろーん」の連続飛行時間は1〜2時間程度。直径は90cmほどの大きさがあるため、一般家庭の室内で猫と遊ぶため飛ばすには大きすぎる気もしますが、一体どのような目的で開発されたのか。
技術のベースになっているのは、ドコモが2019年に発表した「羽のないドローン」。高速で飛行する一般的なドローンはヒトやモノに衝突した時の危険性や、静音性についての課題を抱えていることから開発に至ったといいます。
「プロペラのあるドローンが近くに来ると人間は恐怖心を感じますよね。例えば空撮や自撮りなんかも人間とドローンの間に生まれるコミュニケーションと言えますが、これらのコミュニケーションの良いあり方を見つけたいと思っています。」
(NTTドコモ 開発担当者)
今後はショッピングモールなど多くの人が集まる空間において、自在に移動しながら「空飛ぶ広告」として活用したり、搭載したカメラと連携して迷子特有の動きを検知する「迷子パトロール」などの活用を想定しているのだとか。
近い将来、「にゃろーん」を直に見られる日が来るかも知れませんね。
<参考>
・猫がテーブルまでお料理を運んでくれる!ネコ型の自動デリバリーロボット「BellaBot(ベラボット)」
・恐るべき身体能力なのニャ!動きをプログラミングできる猫型ロボット「Nybble」
・ルンバみたいに自動で帰還して充電!猫の遊び相手になってくれるロボット「Ebo(イーボ)」
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