猫は後ずさりする時どこを見ているの?カーテンレールから降りる猫の動きが器用すぎる→左手で体を固定する高度なテクニックも披露
正面を向いたまま少しずつ後退する行為のことを「後ずさり」と言いますが、猫が後ずさりしているのを見たことがある、という人は少ないのではないでしょうか。
猫はもともと前方に向かって進むことに適応した体の構造をしているため、後ろ向きに歩くのが得意な動物ではありません。また、後退しているときは背後が死角になるため、障害物や敵がいるかどうか分からないまま下がらねばならず、自らの身を危険にさらすことになってしまいます。
それでも猫が後ずさりをすることはあります。
例えば、体の向きを変えられない場所で行き止まりに突き当たったり、視線を外せないほどの恐怖が前方に迫っているといったような時。ハチワレ柄の白黒猫「monaca(もなか)」ちゃんの飼い主さんが、最近SNSに投稿した動画も、そんな猫の珍しい後ずさりを捉えたワンシーンです。
カーテンレールの上に乗ったまま前方を見つめる一匹の猫。これ以上先には進めないと判断したのか、足を一本ずつ動かして後ずさりを始めます。
この時、人間であれば一度振り返ったり足元を見たりして周りを確認したくなるところですが、この猫ちゃんは前方から視線をそらさずにバックステップ。高くて細いレールの上を後ろ向きに歩いていくのはなかなか勇気が入りそうです。
レールの端にたどり着くと、猫ちゃんは後ろ足を伸ばしてキャットタワーに降りようとしますが、残念ながら距離が届きません。すると今度は左手でレールを抱きかかえて、より体重を下にかけられるように体勢を変化。その分、下へ伸ばすことができた足が見事キャットタワーを捉えて着地することに成功します。
この間も猫ちゃんが視線を外したのは1度きり。ほとんど前を向いたままカーテンレールを降りきったことから、後ろ向きでも足を踏み外さない自信があるのか、はたまた前を向いている方がバランスを取りやすいのか、後ずさりをしている時の猫の行動は何とも興味深いものです。
monaca
— MONACA育児日記777 (@FuFuFu88Fu) November 14, 2023
キャットタワーへの
降り方が
かわいすぎ!!🤣
(マチガイナク猫のハズ!?😆✨)
#ハチワレ
#猫 #ねこのいる幸せ
#猫のがいる暮らし pic.twitter.com/madbxd5p7p
それにしても黒白猫のmonacaちゃんは、どうしてカーテンレールの上に登ったのでしょうか。飼い主さんに聞いてみると、実は同居している黒猫のLunaちゃんがいつも登っているのを、以前から羨ましげに見ていたのだそうで、「いつか僕ものぼってやる!」と思っていたのではないかとのこと。
しかし、カーテンレールの先にはエアコンが設置されているため、先に進むのは不可能な構造になっているのが落とし穴。そのため上に登ってしまったら「バックするか」「飛び降りるか」の2択を迫られることは避けられません。monacaちゃんはビビリな性格もあってか、バックすることを選んだのだそう。
一方、飼い主さんはこの光景を見た時、とても微笑ましく思ったと言います。
というのも、monacaちゃんがまだ仔猫だった頃、キャットタワーに自分で登ったけれど降りれなくて鳴き叫んでいたことがよくあったのだそうで、その時の光景が思い浮かび現在の姿と重なる部分があったようです。
そんなmonacaちゃんがお家にやってきたのは、飼い主さんの娘さんとの出会いがきっかけ。
ある日、車を運転していた娘さんは、他の車が何かを避けるようにゆっくりと走行していることに気づき、「何故だろう?」と不思議に思いそちらの方へ視線を向けると、かすかに動いている物体を発見。目を凝らして見てみるとそれが猫であることに気づいたことから、すぐさま路肩に車を止めて仔猫の所に走り寄り、持っていたひざ掛けで仔猫を包んで保護したものの、どうしていいのか分からずにその足で飼い主さんのお家へ連れてきたのだとか。
当日の気温は33度と暑い日。monacaちゃんはかなり衰弱していて、体の大きさも手のひらサイズくらいしかなかったことから、無事に育つかどうかものすごく不安だったと言います。
ところが、そんな心配をよそにmonacaちゃんはその後、しっかり飲んで食べてを繰り返してぐんぐんと成長し、今では大変お世話になった先住猫のyukiさんよりも偉そうにキャットタワーに居座り、貫禄のあるドヤ顔でくつろいでいるのだとか。
「僕はここで生まれて育ったんだ!みたいな感じで、キャットタワーの上からドヤ顔でわたし達を見下ろしています(笑)」
(飼い主さん)
とは言っても、道路にそのまま放置されていれば、命を失っていた可能性が高かったmonacaちゃん。これまでの成長過程を間近で見てきた飼い主さんにとっては感慨もひとしおなのではないでしょうか。
その点についても聞いてみると「お家に来た時は、赤ちゃんで衰弱していた子が、今では大きく育って、こうやって生きている。それだけで私ちは良かった。幸福だと噛み締めています。家族になってくれて、ありがとう!」と、深い愛情が伝わってくるコメントを寄せてくれました。