河川敷に捨てられたネコを守ろうとしたのは…3人のおじさんだった!書籍「おじさんと河原猫」
多摩川の河川敷に捨てられて厳しい環境で生きる猫たちと、猫を守ろうとする3人のおじさんたちの物語を描いた書籍「おじさんと河原猫」が9月13日に刊行されました。
東京都と神奈川県の境を蛇行するように流れる多摩川。その下流にある広大な河川敷は散歩やジョギング、サイクリング、スポーツなどで訪れる人々が絶えない市民の憩いの場となっています。
一見穏やかで平和なこのエリアには人目につかない場所があり、そこで人間に捨てられた猫たちが必死で生きているということは、あまり知られていません。多摩川の下流域には多くのホームレスが住んでいるため、その人たちを当てにして猫を捨てに来る人が後を絶たないのだとか。
数年に一度は大雨や台風によって増水が発生し、そのたびに河川敷に住んでいる猫たちが被害に遭っている多摩川。
本書はそんな厳しい環境で生きていた猫たちと、その猫たちを守ろうとした3人のおじさん。
そのおじさんたちを愛した河原猫「シロ」のお話が描かれています。
登場人物は、捨てられた猫の世話をしている近所のおじさん(加藤さん)と、ホームレスのおじさん(高野さん)。そのおじさんたちと知り合って、猫たちとの関係を撮り始めたカメラマンのおじさん(太田さん)の3名。
河川敷の近く住む加藤さんは、糖尿病を患ったまま独り暮らしをしていたけれど現在は病気で入院中。河川敷の小屋に猫を引き取って暮らしていた高野さんは、2019年10月に多摩川が氾濫した際、小屋を離れられず濁流に流されて行方不明に。
残った太田さんは河原猫たちの里親探しに協力するうち、1匹の小さくて愛らしい猫「シロ」を引き取ることに。すると、シロが猫エイズにかかっていることが判明。治療を受けながら太田家の一員として暮らし始めます。
本書はこの河原猫「シロ」と、河原猫を見守ってきた3人のおじさん(加藤さん・高野さん・太田さん)たちの物語を描いた写真エッセイで、特別寄稿として人気猫マンガ『夜廻り猫』の作者、深谷かほるさんが描いた作品「おじさんと河原猫」2本も収録されています。
太田康介(おおた やすすけ)
ボスニア・ヘルツェゴビナやアフガニスタン、カンボジアなどを撮る戦場カメラマンとして活躍。東日本大震災後は、原発周辺に取り残された家畜やペットの写真を撮るとともに、野良と化した猫へのTNR(地域猫化)と給餌活動を続けている。著書に『やさしいねこ』(扶桑社)『のこされた動物たち』『待ちつづける動物たち』(飛鳥新社)『うちのとらまる』(辰巳出版)など。
<参考>
・なぜ猫は潜ってしまうのか…?穴に出入りする猫たちの決定的瞬間を捉えた写真集「あなねこ」
・太った猫は態度もデカい!?デブ猫×美猫のドタバタな日常を描いた「おふとりさま猫日和」
・猫をイメージして5分でリフレッシュ!猫の写真を眺めながら瞑想を学べる書籍「ねこ瞑想」
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