ロックダウン直前に生まれた命、手のひらサイズの猫「サビイロネコ」の赤ちゃんが英国で誕生
イギリスの最西端に位置する半島地域コーンウォールから、珍しいサビイロネコの赤ちゃんが誕生したというニュースが飛び込んできました。
「サビイロネコ」はインドとスリランカに生息する珍しい猫。
体重は大人でも1〜1.5kgとイエネコの1/3分程度しかなく、南部アフリカに分布するクロアシネコと並び世界最小の猫として知られており、背中と脇腹の全面にさび色の斑点があることからサビイロネコ(英名:Rusty-spotted cat)と呼ばれています。
そんな珍しい小型猫がやってきたのは動物園…ではなく、同地域最大の動物保護区、ポーフェル・ワイルドライフ・パーク(Porfell Wildlife Park )。
ここは怪我をしていたり、放置されていたり、不法に輸入されたりした世界中の野生動物たちを保護している施設で、キツネザルやハナグマなどの木登りが得意な動物から、オウムやフクロウなどの美しい鳥、巨大ヒョウモンガメなどの古い爬虫類、シマウマ・エランド・ダチョウといった大型動物までさまざまな動物たちが生活。
来場者は間近に見たり、触れたり、餌をあげたりして自然動物たちを学ぶことができます。
サビイロネコのペアがやってきたのは2019年の夏。
世界で飼育されている数が40〜50匹しかいないと言われる珍しい猫ながら、保護スペースに飽きがあったことから運良く引き取る機会に恵まれることに。2匹はスタッフに温かく見守られながら過ごしていきます。
園内では積極的に繁殖を行っていないものの、今年の3月に入り、オスとメスの間に2匹の赤ちゃんが生まれました。年老いた動物が多かったことから、新しい小さな命の誕生にスタッフたちは大喜びしたといいます。
初めて姿を現した時はネズミほどの大きさしかなかったという赤ちゃんたちも、今では生後8週目を迎えて体が少し大きくなり、ちょっぴり精悍な顔つきへと変化。
母猫が警戒して近づくことが難しいため、2匹の性別は今現在も不明ながら、ママと一緒に周囲を探索し始めるなど着実に成長を遂げています。
このハッピーなニュースをいつ発表しようか、タイミングをうかがっていたという同園。イギリスではロックダウン(都市封鎖)が6週目に入り、依然として厳しい状況が続いていることから、明るいニュースを共有したいとの思いで今回公表することになったのだとか。
一方、資金面では困難に直面しており、2020年4月1日から冬季休業明けの営業を再開する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響により閉鎖を継続中。動物のエサ代や光熱費、獣医やスタッフの賃金などを確保するため、寄付型クラウドファンディングサイトのGoFundMe(gf.me/u/xt844u)にて支援を呼びかけています。
<参考>
・アメリカで猫の気象予報士「ベティちゃん」が誕生!飼い主さんのテレワークで思わぬテレビ出演
・体重なんと16キロ…!アメリカの太り過ぎな猫「キング」のダイエットチャレンジが話題に
© Porfell Animal Park and Sanctuary.