40年を超えるロングセラー絵本の原画展「100万回生きたねこ 佐野洋子の世界展」山梨県立美術館で開催中
山梨県立美術館で特別展「100万回生きたねこ 佐野洋子の世界展」が2018年6月17日まで開催されています。
「100万回生きたねこ」とは、1977年に出版された絵本作家・佐野洋子さんによる絵本作品。
死ぬたびに生き返っては新しい飼い主と暮らし、またその飼い主のもとで死んでいくといったことを100万回繰り返していくオス猫の話で、猫が死ぬたびにその時々の飼い主は悲しんだが、猫自身は悲しむどころか、どの飼い主のことも大嫌いだった。ある時、野良猫となった彼は一匹のメス猫と出会い、惹かれ、共に暮らし、子を設けるが、やがてそのメス猫は死んでしまう。これまで自分が100万回死ぬたびに、飼い主の悲しみに何も感じなかった猫が、大切な存在を得て失うことではじめて愛を知るというストーリー。
これまでの累計発行部数は200万部を超え、ミュージカルとしても上演されているほか、近年ではフランス語、ロシア語、中国語などにも翻訳。昨年には出版から40年を迎えて関連イベントが開催されるなど、世代を超えて今なお多くの人々に読み継がれています。
現在行われている特別展は山梨県立美術館の開館40周年を記念して行われている催しで、同作品の名作原画を中心に、代表的な絵本の原画、小説の原稿、女性や猫などを描いた銅版画あわせて約100点の作品を展示。
絵本作家でエッセイスト、画家でもある佐野洋子さんのユニークで豊かな世界を5つの章に分けて紹介しています。
<展示構成>
第1章.100万回生きたねこの世界
第2章.ねこ、ねこ、ねこ
第3章.永遠のこども
第4章.自然への眼差し
第5章.銅版画との出会い
第1章では「100万回生きたねこ」の世界を3つに分けて紹介。ミュージカルの舞台美術等関連作品、絵本原画(特別出品・全18点)、地元の子供たちが同作品をテーマに描いた作品が展示されています。
続く第2章では、佐野洋子さんによる猫を主人公にした絵本「すーちゃんとねこ」「さかな1ぴき なまのまま」「空とぶライオン」の3作品を展示しているほか、第3章では自身の子供時代を思い出しながら描いた「わたしのぼうし」や、山梨で暮らしていた時の思い出を綴った小説の原稿なども展示。
第4章では、谷川俊太郎の詩集「ふじさんとおひさま」の挿絵原画や岸田今日子が文章を書いた絵本「ちょっとまって」の原画、最後の自作絵本作品となった」ねえ とうさん」などを通じて、佐野さんの自然と生き物へ向けられた眼差しにフォーカス。第5章では15点の銅版画と銅板やニードルを展示して、アーティストとしての側面や女性としての生き様を作品で辿ります。
また、特別展の期間中は、猫に関連するイベントも開催。
■記念ミュージアム・シアター「先生と迷い猫」
日程:2018年5月13日(日)
時間:13:30~(107分)
場所:文学館(美術館向かい)講堂
※申し込み不要、入場無料
■ミュージアム・シアター「こねこ」
日程:2018年6月9日(土)
日時:13:30~(84分)
場所:講堂
※申し込み不要、入場無料
会場には「100万回生きたねこ」の主人公「とらねこ」と一緒に写真を撮影できるフォトスポットや、絵本を読めるコーナーなども用意されており、楽しいひと時を過ごせる展覧会となっています。
愛されて40年 「100万回生きたねこ」 佐野洋子の世界展
期間:2018年4月21日(土)~6月17日(日)
時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館:月曜日
会場:山梨県立美術館 特別展示室
山梨県甲府市貢川1-4-27