愛猫のために遺言書を作成して保管・執行してくれるサービス、三井住友信託銀行が提供開始
猫や犬を飼っている人にとってペットは、家族の一員とも言える大切な存在ですが、いつかは必ず別れの日がやって来てしまうもの。
ペットが先立つ場合は側に寄り添いながら最後を看取ってあげることができますが、自分にもしものことがあった場合、残されるのはペットの方。自分の死後だれに面倒を見てもらうのか、飼い主さんにとっては切実な問題です。
そんな中、三井住友信託銀行が2021年6月22日より「遺言信託(ペット安心特約付)」の提供を開始しました。
これはペットのための遺言書を作成し、保管、執行までを行ってくれるサービスで、猫や犬を飼育している人が亡くなってしまった場合、その後お世話をしてくれる人にペットを引き渡したり遺産から飼育費用を渡すなど、事前に作成した遺言書に沿って飼い主さんの要望を執行してくれるというもの。
日本の法律では人以外に財産を相続させることはできませんが、遺言によって法定相続分と異なる相続分の指定ができるため、特定の個人がお世話をしてくれる場合はその人にペットへの想いを託すとともに、遺産の中から飼育費を支払うことが可能。
ペットを託せる個人がいない場合は動物愛護団体などの法人や団体に遺贈することもできます。
遺言書とは別にペットのお世話に必要な「ペット手帳」を作成して保管してくれるの本サービスの特徴。
一緒に暮らしていた飼い主さんがいなくなることに加えて、生活環境が大きく変化することもペットにとっては大きな不安。ペット手帳ではペットの健康に関わることをはじめ、性格や特技、食事のこと、飼育環境のこと、その他に伝えておきたいことなどを事前に書いておくと、相続の発生後にお世話をしてくれる人へ渡してくれるため、愛猫・愛犬が一日でも早く新しい生活に慣れるように備えることができます。
この遺言信託(ペット安心特約付)を考案したのは、同社に在籍する愛猫家の財務コンサルタント。
顧客との会話の中で「ペットより先に自分にもしものことがあったらと思うと不安」という相談を受けたことから企画し、社内のビジネスプランコンテストを経てサービス化の実現に至ったのだとか。
取り扱うのは関東圏・中京圏・関西圏の店舗で、猫・犬に関する遺言の相談、遺言の作成のアドバイス、遺言書の保管、遺言の執行などがサービスの対象。基本手数料は44万円プランと99万円プランの2種類あり、その他、遺言保管料や変更手数料、執行報酬などが発生します。
三井住友信託銀行によると、人生100年時代と言われる現代の終活は遺すだけでなく、生前をペットと一緒に安心して楽しむことが重要であると指摘。
もしもの時に備えることで大切なペットに対する不安を少しでも払拭し、飼い主さんとペットの双方にとって幸せな人生をサポートしたいとしています。
<参考>
・犬猫の命を救うために遺産を寄付するという選択肢、三井住友銀行×どうぶつ基金が協定を締結
・獣医師が愛猫を見守ってくれる!シャープの猫トイレとイオンペットの動物病院が提携サービスを開始
・猫トイレやキャットタワーも完備!軽井沢プリンスホテルに飼い猫と泊まれるコテージが誕生
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