絵本から読み物へ、シリーズ最新刊「ノラネコぐんだんと海の果ての怪物」
大人気の絵本シリーズ・ノラネコぐんだんの最新刊「ノラネコぐんだんと海の果ての怪物」が先月発売されました。
「ノラネコぐんだん」シリーズは絵本作家の工藤ノリコさんが描く、いたずら好きのワル可愛いノラネコたちが主人公の絵本。これまでにシリーズ累計80万部を超えるヒットを記録し、子供はもちろん大人までファンがいるほど幅広い人気を集めています。
新たに刊行されたのは、シリーズ初となる「読み物」としての冒険物語。
むかし あるところに、ノラネコぐんだんが いました。
ある朝、海辺で虹色に光る貝がらを見つけたノラネコたち。
「ニャー、なんてきれい!」とその貝がらを拾ったことが、
波乱万丈の冒険の幕開けになるとは……。
本書は、作者である工藤ノリコさんが「子どもたちに本の楽しさを伝えたい」との思いから、ノラネコぐんだんを主役にした「絵本」から「読み物」への橋渡しとなる作品で、これまで絵本を読んでいた子どもたちが、文章だけの本を読む「練習」になる本を目指して製作した書籍です。
従来のノラネコぐんだんシリーズの絵本は「絵と文章が補完しあっている本」でしたが、本作は文章だけで成立するお話に、ちびっ子のみんなが途中でくじけないように、との意図から挿絵を挿入。そのため、文章の多い本に初めて挑戦する子どもたちが、楽しく最後まで読み通せるような工夫が凝らされています。
小さい子どもでも読み進めやすいように挿絵自体はたくさん入っていますが、「まず文章だけでお話の世界に行ってみる」練習になるようにと、多くのページでは対応する絵が文章より後に現れる構成になっているのがその一例。
また、ノラネコぐんだんシリーズの絵本では、挿絵のほとんどはカラーで描かれていましたが、ニャンと本作は白黒のモノトーン。
これは、作品の中で自然の色彩を絵の具で描こうとすると、どうしても限定的な表現になってしまうことから、ちびっ子読者ひとりひとりの心の目で無限に深く景色を感じ取ってもらえるようにと考え、敢えて「白と黒」「光と影」だけの表現になっているのだとか。
そのため、本作では挿絵がまったく無くても情景が分かるように、そして読んで聞かせている時に風景が心に浮かんでくるように書かれているほか、文字の大きさや行の間隔なども、初めて文章の多い本に挑戦する子どもたちが読みやすいように工夫してデザインされています。
対象年齢は、子どもに読んであげる場合は4歳~、子どもが自分で読む場合は小学校低学年~が目安となっています。
書名:ノラネコぐんだんと海の果ての怪物
著者:工藤ノリコ
出版:白泉社
仕様:A5判/108ページ
価格:1,100円+税
また、本書の発売を記念してノラネコぐんだんのLINEスタンプも配信されていますので、ファンの方はこちらもチェックしてみては。
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