猫のマンガで看取りを学べる『在宅医たんぽぽ先生物語』の続編が登場!限りある命と向き合う10の物語
人生の最期のために知っておきたいことを、患者や家族のエピソードを元に描いた書籍『ねこマンガ 在宅医たんぽぽ先生物語 おうちに帰ろう』が刊行されました。
本書は20年以上にわたって在宅医療に携わり、多くの患者を看取ってきた医師による実際の体験談を「ねこの物語」として描いたマンガの第2弾で、登場人物はすべて擬人化された猫。
前作の『ねこマンガ 在宅医たんぽぽ先生物語 さいごはおうちで』は、看取りという重いテーマをほんわかとした雰囲気で描いた作品で、人生の最期のあり方を考えるきっかけに貢献している点が評価され、第37回愛媛出版文化賞奨励賞を受賞しています。
今回発売されたのはその続編で、テーマは「さいごまで好きなものを食べる」「どんな状態でも生きがいをみつけ、後悔しないように生きること」。限られた命と向き合った在宅医の体験談が、プロローグとエピローグ含め全10話収録されていて、26歳〜104歳まで年齢も置かれた状況もさまざまな患者の物語が描かれています。
第1話 石鎚山の力
第2話 こりゃまたおいしい!
第3話 おすしとケーキ
第4話 生きがいと生きる力
第5話 笑顔の生命力
第6話 住み慣れた場所で
第7話 最期の3日間
第8話 誰かが見ていなくてもいい
第1話「石鎚山の力」には、進行がんで余命1カ月と宣告された46歳の男性ネコが登場。
余命宣告の不安から寝たきりの日々が続いていた男性に対して、スタッフたちは「なんとか生きる気力を取り戻してほしい」と考え、男性が好きな山を見せてあげることを計画することに。
また、第4話の「生きがいと生きる力」では102歳の女性ネコが登場。
たんぽぽクリニックへ来たばかりの頃の女性は「長生きして迷惑をかけている」「申し訳ない」とネガティブな言葉ばかりを口にしていたものの、体調が回復するにつれて自分の生きがいを思い出していきます。
著者は、愛媛県松山市にある有床診療所「ゆうの森 たんぽぽクリニック」の理事長で、「たんぽぽ先生」の愛称で親しまれている永井康徳医師。
職員3人・患者ゼロの状態から在宅医療に取り組み、現在は総勢約100名の多職種チームで地域の患者さんを診察しています。
本作では「たんぽぽクリニック」に2名の研修医が加わり、患者との出会いを通して看取りについて考えを深める内容となっているほか、オールカラーのマンガは、動物写真家・岩合光昭さんの初映画監督作品『ねことじいちゃん』の原作者で、イラストレーターのねこまき(ミューズワーク)さんが担当。やさしいタッチで描かれたネコの表情は穏やかで、温かい気持ちで読み進めることができます。
各マンガには、たんぽぽ先生の解説コラムがついているほか、文章編では、はじめてでも良く分かる在宅医療の基礎知識をQ&A形式で収録。
限りある命との向き合い方や、人生の最期のために知っておきたいことを、やさしい猫の漫画を通して知ることができる一冊となっています。
<参考>
・終末期医療の実話をやさしく描いたネコ漫画「在宅医たんぽぽ先生物語 さいごはおうちで」
・飼い猫の最後にどう寄り添うのか、SNSで大きな共感を呼んだマンガ「ポッケの旅支度」が書籍化
・世界初?猫の短歌を詠む歌人、仁尾智さんによる短歌&エッセイ集「猫のいる家に帰りたい」
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