「それは怪しいものじゃなくて自分なんよ」テレビ画面を見つめる猫ちゃん、反射した自分の姿を侵入者と間違える
猫はもともと縄張り意識が強く、自分のテリトリーが安全に保たれているかパトロールする習慣を持つ動物。そして、ちょっとでも異変を感じると抜け目なく反応し、普段とは違ったユニークな表情や仕草を見せてくれることがあります。
キジトラ猫のビビくんは先日、電源がついていない真っ暗なテレビ画面に、見慣れない猫の姿を発見。とんでもないものを見てしまったような、驚きの表情を浮かべているところを目撃されてしまいました。
テレビボードに両手を置いて立ち上がり、画面をビックリした顔で見つめている猫ちゃん。画面に反射した顔をよく見てみると、目はまん丸という表現がピッタリなほど大きく見開かれ、ヒゲも前にピーンと広がっていることから、かなり緊張していることが伝わってきます。
おそらく自分の姿が反射していることに気づいていないのでしょう。つまり、ビビくんにとっては、いきなり他の猫がテリトリーに侵入して来たも同然のシチュエーション。信じられないものと遭遇してしまったかのような表情を浮かべてしまうのも無理はありません。
このエピソードを飼い主さんがSNSのXに投稿したところ、2.8万件を超える”いいね”が集まるほどの大反響。動揺を隠せない可愛すぎる猫ちゃんの表情に魅せられるユーザーが続出しています。
しかし、お家で暮らしている猫ちゃんにとって、テレビはいつも身近にある物のはず。なぜ反射した自分の姿にこれほど驚いているのでしょうか。
飼い主さんにお話を聞いてみると、数日前にリビングのエアコンが壊れてしまい、この日は新しいエアコンを取り付けるために業者さんが来ていたのだそう。普段は虫も触れないほどビビりな性格であることから「ビビ」と名付けられたビビくんは、知らない人がやって来たので寝室にこもっていたと言います。
しかし、未知への恐怖と好奇心は表裏一体。侵入者が何をやっているのか気になってしまい、ついつい覗いてみたくなるのが猫の性というもの。 業者さんが室外機の取り付け作業をしに部屋から出ていくたびに、リビングへやって来ては状況を確認していたそうです。
一方、テレビは普段、日光が当たらない場所に置かれているけれど、この時はエアコンの取り付け作業の邪魔になるため、別の部屋の光が射し込む場所へと移動させておいたそうです。 そのため、画面が鏡のように反射してしまい、ビビくんにとっては突然他の猫が現れたように見えてしまう状態。その驚きの表情を捉えたのが写真のシーンなのだとか。
とは言え、ビビくんが反射する自分の姿を見たのは、今回が初めてではなかったようです。
「お迎え当初に自分の姿を見た時は走って逃げていました。その時はまだ環境に慣れていない事もあって、怖かったのだと思います。でも、今ではあまり気にしていない様子だったので、この日も『見たことあるのにな…』と思って眺めていました。」と、飼い主さんが目撃当時の様子を振り返ってくれました。
この後、業者さんが部屋に戻ってくると寝室に駆け込み、外に出ていくとテレビを覗きにくる行動を繰り返していたビビくん。すると、画面に映った猫の存在に少しずつ慣れていったのか、匂いを嗅いだり手で少し触れてみたりして安全確認を実施。自分のテリトリーに他の猫が入って来たのではないことが分かり安心したようです。
猫ちゃんの真剣な表情に思わずクスッとさせられる微笑ましいエピソードでした。
取材協力:にゃうこ(@nia_7053)さん