弱虫でいじめられっ子だった猫、ぽーの物語をつづったフォトエッセイ「やさしいねこ 」
まわりの猫にいじめられ続けた、弱虫な「ぽー」の物語を綴ったフォトエッセイ「やさしいねこ」が本日10月18日(水)に発売されました。
本書の著者は、カメラマンの太田康介(おおた やすすけ)さん。
過去にコソボやアフガニスタン、カンボジアなどで戦場カメラマンとして活躍したのち、東日本大震災以降は、原発周辺に取り残された家畜やペットの写真を撮るとともに、飼い主のいない猫のTNR活動(地域猫化)と給餌活動を続けています。
そのTNR活動を行う原点となった猫の物語を綴ったのが本書。
太田さんはある日、自宅近くでブサイクな野良猫を見かけました。
繁殖して数が増え、殺処分や事故死などによる不幸な猫がこれ以上増えないようにと、太田さんはその野良猫にTNR(野良猫を捕獲し=Trap、避妊去勢手術をし=Neuter、元の場所に戻す=Return、の頭文字を取った総称)を実行し、一代限りの「地域猫」として見守っていくことにします。
しっぽに特徴があったので「ぽー」と名づけられたその猫は、他の野良猫に交じって太田さんの家に餌を食べに来るのですが、他の猫が食べ終わるのを陰でじっと待っている遠慮がちな猫でした。そして、その体はいつも汚れ、傷ついていたのだとか。
実は、ぽーは、ケンカをすれば一方的にやられてしまう、まわりの猫たちからいじめられ続けていた町内最弱の猫だったのです。太田さんはそれを見ていたたまれなくなってしまい、ぽーを家猫として迎え入れることに決めました。
すると、今度は太田さんの家の先住猫にもいじめらてしまうことに・・。
しかしそれでもぽーは、少しずつ先住猫たちの心を開いていき、新たに保護されて家にやって来た子猫の世話を始めるなど、太田家にはなくてはならない存在となっていったのです。
そんな「ぽー」と過ごした思い出の日々が写真と共に綴られています。
太田さんは以前、深谷かほる氏が描く人気のネコ漫画「夜廻り猫」に登場する権利が当たる企画に応募したところ、見事に当選。本書にはその時ぽーが描かれた漫画も2本収録されています。
※ぽーの話は単行本「夜廻り猫(3): ワイドKC」にも収録予定。
また、来週10月24日からは「やさしいねこ」の出版を記念した写真展が東京・世田谷区にあるギャラリーパウパッドで行われます。
「やさしいねこ」写真展
期間:2017年10月24日(火)〜10月30日(月)
時間:14:00~19:00(初日)
:12:00~19:00
会場:Gallery Paw pad(肉球画廊)
東京都世田谷区砧5−23−8
小田急線 祖師谷大蔵駅 徒歩8分
本書を手に取った方はぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
画像提供:FUSOSHA Publishing Inc.