猫専門の獣医師が執筆、猫を徹底的に解説した専門書「猫を極める本」
最新の猫医療に関する情報を盛り込んだ書籍「猫を極める本 猫の解剖から猫にやさしい病院づくりまで」が6月に刊行されています。
本書は、獣医師や動物看護師などの専門家に猫に関する正しい知識を広め、且つ苦手意識を持っている人にとって猫は魅力的で楽しい動物だと感じてもらえるようにとの思いから執筆された書籍で、解剖学や行動学から見た猫の特徴をはじめ、猫の診察方法や栄養学、猫がかかりやすい病気から高齢猫の注意点まで解説されていて、猫医療の従事者はもとより猫の飼い主さんにとって有益な情報も収録されています。
序章では、猫にとってストレスとならない病院づくり「キャットフレンドリークリニック」をテーマに、動物病院が猫に優しくする意義や猫に優しい待合室・診療室・入院室などについて解説しているほか、メインコンテンツでは8つの章に分けて猫を徹底的に解説。
序章 キャットフレンドリーな動物病院とは
第1章 猫特有の解剖・生理・薬理
第2章 猫を理解する
第3章 猫と飼い主とのコミュニケーション・猫の行動学
第4章 猫の保定法と診察・検査
第5章 猫の栄養学
第6章 子猫の予防医療
第7章 猫の入院管理と猫がなりやすい病気
第8章 高齢猫と健康診断
第1章は猫と犬の解剖学的な主な違いや血液型と輸血、注意するべき薬や猫の投薬法などについて、続く第2章では「猫がどんな動物なのか」を学ぶための情報を掲載。猫の品種の紹介に始まり疾患、遺伝子による毛色の決まり方、室内飼育の問題点、猫と人の関係、猫を選ぶためのアドバイスなどが紹介されています。
第3章では、猫と飼い主とのコミュニケーションや猫の行動学について解説。病院までの移動と帰宅時の注意点をはじめ、「コミュニケーションのコツ」の項では猫に嫌われる行動や好かれる行動をシチュエーション別に具体的に紹介。猫のストレス要因、よくある問題行動など、猫の飼い主さんにとっても役立つ情報が掲載されている一方、第4章では猫の診察における基本・応用や検査など、専門的な情報を学ぶことができます。
その他にも猫の栄養学、子猫の予防医療、高齢猫と健康診断など様々な情報を網羅。特に第7章では猫の痛みのサインに気づく方法や、猫がかかりやすい病気についての概要・治療法など、猫の病気について40ページ以上にわたって解説されています。
本書の著者は、猫専門動物病院・東京猫医療センターで院長を務める服部幸獣医師。
同氏が2012年に東京で開設した猫専門の動物病院は、序章でも触れられている「キャットフレンドリークリニック」のゴールドレベルにアジアで2番目に認定。年間9,000頭以上にのぼる猫の診察を実施し、獣医師向けの雑誌に寄稿したり猫に関する書籍を多数執筆しているほか、TBS系列のドキュメンタリー番組・情熱大陸に出演するなど、猫専門の獣医師として積極的に情報を発信しています。
著者によると、猫は怖いしよくわからないと感じている獣医師・動物看護師にとって、本書が猫の面白さや魅力を感じてもらうきっかけになって欲しいと述べています。獣医師向けの専門書と同等の内容が掲載されているため、一般の猫の飼い主さんにとっては難解な内容も多く含まれていますが、猫のことをもっと知りたい人はチェックしてみては。
書名:猫を極める本 猫の解剖から猫にやさしい病院づくりまで
著者:服部 幸(東京猫医療センター 院長)
仕様:A4判/並製/224頁/オールカラー
発刊:2018年6月22日
画像提供:(C) Interzoo Publishing Co., Ltd.