京都の全てを知りつくしたような一匹のキジ白猫に遭遇!古都の町並みに猫が溶け込んだ風景はとってもノスタルジック
京都は千年以上の歴史を持つ古都で、日本の伝統的な文化や建築を今に伝える場所である一方、猫も古くから私たち日本人の身近に暮らしてきた動物。そのため、石畳や石塀、京町家といった当時の雰囲気が残る景観には猫がよく似合います。
しかし、京都市内の道路は碁盤の目のように構成されていて、規則正しく並んでいる反面、ぜんぶ同じような道に見えてしまって、何処を歩いているのか分からなくなってしまう人も少なくありません。
フォトグラファーのこに(Ryo Konishi)さんが、そんな古都に精通していそうな猫に出会ったのは昨夏のこと。
趣のある京町家が立ち並ぶ細い路地に、立ち止まったまま振り向く一匹のキジ白猫。深みのある焦げ茶色の毛が、古い木造家屋の色合いとほどよく馴染んで、まるで町並みに溶け込んでいるかのような、自然な佇まいを感じさせます。
この日は雨上がりの京都で、何かいい瞬間がないかなと散策していたという「こに」さん。
路地で猫ちゃんを発見し、カメラの望遠レンズで遠くから追いかけていた時に、たまたま振り向いてくれた瞬間を撮影したのが写真のワンシーン。その光景を見た時、「京都の裏路地を全てを知り尽くしてそうだな」と言う印象を持ったと言います。
京都の全てを知り尽くしていそうな案内猫に出会った🐈 pic.twitter.com/nqfjz71qT1
— こに | Ryo Konishi (@Konigraphy) July 10, 2023
確かに写真の猫を見ると、いかにもこの辺りで暮らしているような風貌で、その表情には、普段見かけない人間を見つめるような眼差し。この猫ちゃんに付いていけば京都の街案内をしてもらえそうな雰囲気を漂わせています。
この場で5秒ほど静止していたという猫ちゃん。その後は路地裏の方に歩いて行き、そこにいた黒猫と見つめあって何か話している様子だったそうで、もしかすると、たった今見かけた人間の情報を仲間に共有していたのかもしれませんね。
この情緒たっぷりの写真を撮影したのは、「日本ならではの情景」を求めて撮影しているフォトグラファーの「こに(Ryo Konishi)」さん。
自身のHPやSNSでは独特なトーンで表現した作品の数々を発信しています。
<RYO KONISHI 公式サイト>
https://ryo-konishi.com/
日本の町並みには当たり前のように猫がいるため、「日本ならではの情景」を撮影しようとすれば、猫が目に留まることも少なくないはず。被写体としての猫に何か感じることはあるのでしょうか。
「こに」さんご本人に聞いてみると、「裏路地であったり、田舎であったり、風景の中に猫がいるだけで写真に物語が生まれると感じています。またその写真を見る人によって、それぞれが違う背景を想像をすることも魅力だと思います。例えば、今回の写真だと「全ての遊びを知り尽くしていそう」、「猫だけの世界に連れて行ってくれそう」、「一見さんお断りでも自分となら大丈夫。まかせとけと言ってそう」など、色々なシーンを想像できるところが猫ならではだなと思います。」と回答。
人間と同じように、猫にも一匹一匹の暮らしがあり、それぞれに個性があるもの。猫の数だけ違ったストーリーを感じさせてくれるのもまた、猫の持つ魅力の一つなのかもしれません。
取材協力:こに | Ryo Konishi(@Konigraphy)さん
<参考>
・廃校の階段を歩いていると…猫が追いかけてきた→90年前に建てられたレトロな木造校舎で暮らしている校長猫さんだった
・こんな体勢でも猫は落っこちないの!?超絶バランスを取りながら10分以上も家の中をのぞき込む猫がすごすぎる