受験シーズン版もあるニャ!表と裏に顔がある招き猫「追い出し猫」
両面に顔がある招き猫・追い出し猫の受験シーズンバージョン「桜さく子ちゃん」と、その販売店舗に期間限定で「猫神社」が登場しています。
追い出し猫とは、福岡県の福岡市と北九州市のちょうど真ん中あたりに位置する市・宮若市(みやわかし)に古くから語り継がれている伝説を元に作られた、前と後ろに顔がある猫の縁起物のこと。
顔が2つあるという何とも珍しい招き猫ですが、その誕生は寺を荒らす大ネズミを退治した勇敢な猫の伝説に由来していて、片方の顔では睨みを利かせて災いや悪いものを追い出し、もう一方の顔では笑顔で福を招くとされ、市の特産品として親しまれています。
猫のお腹にある小判には追い出したいこと・招きたいことを両面それぞれに書き入れることができ、自分の願い事に合わせてカスタマイズすることが可能。長寿のお祝いや新築祝い、開店祝い、玄関の飾りにと、大切な人への贈り物や自宅用にとその用途はさまざまで、飼い猫に似た置物を選んで買って帰るお客さんも多いのだとか。
ちなみに猫たちがほうきを逆さに持っているのは「逆さ箒(ほうき)」の迷信が由来となっていて、ほうきに思いを託して災いを払う意味があるのだそうですよ。
型抜き、型調整、素焼き、磨き、筆による絵付け、ほうきや木札の製作など、すべてが地域の人々によって1つずつ丁寧に手作りされているという、この追い出し猫の置物。販売しているのは、福岡県宮若市福丸の福丸商店街・追い出し猫横丁にある「追い出し猫本舗」というお店。
どこか懐かしい雰囲気がただよう店内には、追い出し猫の置物のほかにも、ハンドメイドの小物や地元の商店が作ったお菓子など、ぬくもりの感じられる商品が所狭しと並んでおり、見ているだけでも楽しめる居心地の良い空間が広がっています。
そして現在は受験シーズンということもあり、「桜さく子ちゃん」という追い出し猫が販売中。
追い出し猫の中でも一番人気だというこの置物は、「必勝」のハチマキを締めて五角形(合格)の座布団にちょこんと座っていて、いかにもご利益がありそうな(!?)ことから、受験シーズンになると県内外から多くの人が買い求めに訪れるのだとか。
また、店内には12月から3月中旬までの期間限定で可愛らしい「猫神社」が設置されており、地元の神主さんによるお祓いを受けている、知る人ぞ知るパワースポットとなっています。
合格祈願の絵馬を奉納することも可能
お店では小さな白塗りの土鈴に色ペンで絵を描く、追い出し猫の絵付け体験(800円)をすることも可能。追い出し猫の物語を紙芝居で見た後に絵付け体験にチャレンジし、終わった後には追い出し猫煎餅とお茶のうれしいおもてなしが。できあがったオリジナルの追い出し猫は、思い出とともに大切に持って帰ることができます。
さて、今回ご紹介した福岡県宮若市の「追い出し猫」ですが、過去には「日本全国むらおこし展特産品コンテスト」で賞を受賞するなど、地域をあげてアピールしている特産品で、市内にはいたる所に追い出し猫をモチーフにした建造物や装飾などが見られます。
福丸バス停の待合室には顔パネルが
夜はニャンとライトアップも
マンホールにも追い出し猫が
宮若市から宗像・福津へ向かう途中の静かな山間の沿道には、JR九州バスの「猫塚公園前バス停」という猫ドーム型の待合所があり、数台の駐車スペースと猫バス型のかわいい顔出しパネルもあることから、写真撮影スポットになっています。
待合所の正面
追い出し猫の顔出しパネル
猫好きな人には楽しめそうなスポットですね。宮若市には至る所に追い出し猫のデザインがあふれているそうなので、近くに訪れた際にはぜひ探してみてはいかがでしょうか。
出典:prtimes.jp