猫の妊娠についての基礎知識・出産の兆候や流れなどを解説

近年は、飼い猫と健康で快適に暮らしていくために去勢手術や避妊手術をすることが一般的になってきたこともあり、猫の妊娠や出産にまつわる情報に触れる機会は意外と少ないのではないかと思います。

そこでこのページやでは、猫が出産できる年齢や時期、回数などの基本知識をはじめ、妊娠や出産の兆候、出産の流れなどについて解説していきます。

 


猫が出産可能な年齢は?

メス猫は生後6〜10ヶ月ほどで性成熟を迎え、体重2.5kgほどで初めての発情期を経験すると言われています。出産できる年齢はだいたい12歳くらいまでですが、リスクを抑えて出産ができる年齢は7~8歳程度。ただし、出産可能な年齢には個体差による影響もあります。

猫も人間と同じで、妊娠や出産には大きなエネルギーを使いますし、年齢を重ねほどリスクも大きくなります。ですから、年齢はあくまでも目安として捉えておくとよいでしょう。

 

猫の出産時期はいつ?

猫が交尾をした後、受精した卵子はメス猫の体の中で2~4日以内に卵管を通り、4〜5日目には子宮にたどり着きます。子宮に辿りついた後は10日目で着床するのが一般的です。

猫の妊娠期間は約63日と言われ、出産時期は犬よりもバラつきがありますが、出産の2週間くらい前になると産み場所を求めて徘徊するようになるので、こうした行動を観察しながら出産を見極めていきましょう。

 

生涯における猫の出産回数は?

妊娠出産した猫は次の出産まで8ヶ月以上空けることが望ましいため、発情を迎えてから生涯で可能な出産回数はおよそ7〜8回程度だといえるでしょう。

 

一度の出産で産まれる子猫の数は?

猫は多胎性動物なので、1回の出産で3~6匹の子猫を産みます。産まれる子猫の数には個体差があり、イギリスでは1970年代に19匹の子猫が産まれたこともあると言われています。

また、猫は交尾によって排卵が促される「交尾排卵動物」なので、妊娠している状態でも交尾を行うと違うオス猫の子を身ごもることができます。このような妊娠は「異期複妊娠(いきふくにんしん)とも呼ばれ、人間には見られない特徴で、一度の出産で違う毛色の子猫が生まれてくることもあります。

 

妊娠の兆候

妊娠から3週間経つとホルモンが活発に分泌され、乳腺が張ってきます。これに伴って、乳首が赤くなったり、周りの毛が薄くなったりするでしょう。ホルモンの分泌が活発になった後は食欲も旺盛になり、体重が増加します。ホルモンの関係で被毛のツヤが良くなるのも特徴です。

人間とは違い、猫の場合はつわりはほとんど見られませんが、妊娠30日目に差しかかると食欲不振になったり、フードの好みが変わったりすることがあるでしょう。お腹が目立ち始めるのは5週過ぎで、子宮がピンポン玉くらいに膨らみます。

 

出産の兆候

出産が近づくと、食欲が低下します。神経質にもなるので、出産のためのスペースにこもることもあるでしょう。そして出産日には体温が37度前後まで下がり、陰部からオリモノや薄い出血が見られます。陣痛は人間と同じで始めは間隔が長く弱いものですが、徐々に間隔が短くなっていき、感じる痛みが強くなっていきます。

 

出産に必要な時間・主な流れ

陣痛の間隔が短くなってくると、胎児は産道を下って誕生します。胎児は「羊膜」という薄い透明の膜に包まれながら生まれてくるので、母猫は子猫の羊膜を口で破ってグルーミングを行い、その母猫からの刺激によって子猫は産声をあげます。

こうして第1子が誕生した後は胎盤が娩出されると母猫はその胎盤を食べ、その後の出産に備えます。第1子が誕生して20分~1時間後に再び陣痛が起き、次の子猫が誕生していきます。胎児へのグルーミングや胎盤を食べることを人間の手で妨害してしまうと、母猫が育児を行わなくなってしまうこともあるので注意しましょう。

 

飼い主ができる出産の準備

安心して出産できる環境づくり
妊娠中のメス猫は、普段よりも神経質になっています。例えば、テレビなどの生活音もストレスになる可能性があります。飼い主さんは飼い猫が安心して出産できるよう、静かなスペースを作ってあげましょう。

人目につかない場所を好むことも多いので、猫が隠れられるよう、静かな場所にペットハウスを用意してあげるのもおすすめです。

妊娠中は高カロリーな食事を
健康な子猫を産んでもらうためには、妊娠中の食事にも気を配りましょう。妊娠中は多くのエネルギーが必要になるので、普段より倍の量のフードが必要になります。その際は、栄養バランスがきちんと考えられているものを選びます。

中でも、ビタミンやミネラルはお腹の中にいる子猫が健やかに成長するためにも大切な栄養素です。欠乏してしまうと子猫に奇形が生じる可能性もあるので、妊娠期用のフードを与えるのもよいでしょう。そのときは、突然フードを変更すると消化不良を起こしてしまうこともあるので、徐々に切り変えていくのがおすすめです。

また、妊娠中は一度にたくさんの量を食べられなくなるので、複数回に分けてフードを与えるようにしましょう。

万が一のときに備えて子猫救助法を理解しておこう
時にはメス猫が育児放棄してしまうこともあります。そんなときは飼い主さんが子猫の命を紡いであげなければなりません。

母猫が産まれた子猫を気にかけないのであれば、まず羊膜を破って呼吸を確保しましょう。娩出される胎盤は母猫が食べないのであれば捨てて構いません。

へその緒は子猫から1㎝程度のところを糸で結び、2㎝ほど場所をハサミで切ります。産まれた子猫は鼻の中に羊水が入っていることもあるので、頭を下にして振り、呼吸を確認してから、布で体を拭いてあげます。

もしも子猫がぐったりしている場合は、38度程度のお湯に入れ、体を温めてあげることも大切です。このような対処法を知っておけば、万が一のときでも子猫の命を救うことができます。