猫の発情期を徹底解説 – 発情の期間・特徴・対策など

不妊手術を受けていない猫を飼っていると、必ずやってくるのが発情期。発情した状態の猫には普段とは違った行動が見られることも多く、対策をしていなければ鳴き声やトイレ外でのオシッコなど、室内で猫を飼っている人にとっては日常生活に大きな支障をきたしてしまう可能性もあります。

体を擦り付ける仲良し猫のイメージ写真

このページでは猫の発情時期や期間など基礎的な情報をはじめ、発情中のオスとメスに見られる特徴、発情期についての対策や備えなど、飼い主さんなら知っておきたい猫の発情期について詳しく解説していきます。

 


猫が発情する時期、期間、周期

猫にはっきりとした発情期があるのはメス猫だけです。従って、メス猫の発情期の仕組みを知ることで、オス猫の発情期における行動も理解しやすくなります。

発情したメス猫のイメージイラスト

<発情期の時期>
メス猫が発情期を迎えるのは一般的に生後6〜7ヶ月ごろから、1年の内では2月頃〜9月頃にかけて発情期を迎えます。こうした時期に発情期を迎えるのは、ひとつは猫の発情が日照時間の長さに影響を受けるから、もう一つは気候的に子猫を育てやすい暖かい時期に出産できるよう猫自身が本能的にコントロールしているからだとも言われています。

しかし太陽の日照時間だけでなく人工的な光にを浴びることによっても発情に影響を与えることから、完全室内飼いの猫が多くなってきた昨今では年中発情期という猫も少なくありません。さらにネオンや街灯などが増えるにつれて、屋外で暮らしている野良猫たちもまた発情期に季節性がなくなってきていると言われています。

<発情期の期間>
発情期の期間はおよそ14日〜21日前後で、後述する「発情前期」「発情期」「発情後期」から成り立っています。

<発情期の周期>
上の3つに「発情休止期」を加えた4つのサイクルを発情周期と呼びます。発情周期は2月頃〜9月頃の間にかけて2~3週間隔で定期的に訪れますが、周りにいる異性の数や生活環境にもよって違いがあります。また、短毛種のほうが長毛種よりも性成熟が早く、短毛種が生後半年ほどで発情するのに対し、長毛種は生後12~18ヶ月で初めて発情がみられることもあります。

一方、オス猫は大人になるといつでも交尾ができる状態になりますが、メス猫の発情期における行動などに誘発されて発情するため、オス猫の発情期ははっきりとは決まっていません。

 

メス猫の発情期の特徴

メス猫は発情すると地面に体をこすりつけたり、鳴く回数が増えてオス猫に優しくなったりします。

地面に体をこすりつける発情期のメス猫イメージ写真

こうしたメス猫の性周期は「発情前期」「発情期」「発情後期」「発情休止期」に分けられ、それぞれの時期で違った行動や仕草が見られます。

<発情前期>
この時期のメス猫はまだオス猫の交尾を受け入れようとはしませんが、以下の傾向が見られるのが特徴です。
・いつもより活発になる
・食欲がなくなる
・オシッコの回数が増える
・飼い主さんにしつこく頭を擦り付けてくる

発情前期の長さは猫によって異なりますがおおよそ1日〜5日ほど続き、終わるとオス猫を受け入れる本格的な発情期がやってきます。

<発情期>
発情期のメス猫は発情前期の行動に加えて以下のような特徴が見られ、4日〜10日間ほど続きます。
・普段聞き慣れないような大きな声で鳴く
・背中を床に付けて何度もクネクネする
・お尻を高く持ち上げる体勢を取る
・オス猫のようにスプレー行為をする
・粗相をする

発情期の間はメス猫は尻尾を片側に曲げて積極的にオス猫の交尾を受け入れようとします。そして交尾を行うと約50時間で排卵がみられ、卵胞が退化して発情後期に移行します。

<発情後期>
この時期になるとメス猫はオス猫の交尾を受け入れなくなります。通常1日ほどで終わります。

<発情休止期>
次の発情期が訪れるまで休憩に入ります。この時期はオスに興味を示さず発情もしません。

交尾をしたメスは妊娠する確率が約90%と非常に高いのも猫の大きな特徴です。これは猫が人間のように排卵周期がなく、交尾の刺激によってその都度排卵をする「交尾排卵動物」であるためです。また、発情しても交尾をしなかった場合や交尾をしても排卵しなかった時は5~16日ほど経過すると再び発情し、逆に妊娠したメス猫は次の繁殖期まで発情することはありません。

また、猫には人間でいう生理のような明確なサインがないため、飼い主さんが飼い猫の発情を見逃してしまうこともあるかもしれません。中でも2月生まれである短毛種のメス猫は生後3~4ヶ月で発情することもあるので、繁殖を望まない場合は注意が必要です。

 

オス猫の発情期の特徴

メス猫に誘発されたオス猫の発情期には、以下のような特徴が見られます。

・大きな声で何度も鳴く
・スプレー行為をする
・攻撃的になる

発情中にしきりに鳴くオス猫のイメージ写真

発情中のオス猫はメス猫を求め、交尾で自分の子孫を残そうとします。そのため、室内飼いの猫でも外へ出たがったり、うるさいと感じるほど大きな声で泣き喚いたりすることもあるでしょう。

そして、発情中のオス猫は自分の存在を他のオス猫にアピールするため、ニオイの強いオシッコを自分の縄張りにかけるスプレー行為を行います。こうして自分のニオイを付けることにより、オス猫は力の強さを他のオス猫やメス猫に知らしめようとします。

また、発情中のメス猫にオス猫が近づくと「フレーメン反応」と呼ばれる仕草が見られるのも特徴です。

これは上あごにあるヤコブソン器官でニオイを嗅ぎ、メス猫の発情の状態を確かめようとするために見られる行為で、口をゆがめている表情になるため猫が笑っているように見えることもあります。

 

発情による問題行動の対策

メス猫とオス猫の発情期に見られる行動は、一緒に暮らしている飼い主さんにとっては大きな負担になることも少なくありません。ではどのような対策を行ったらその負担を抑えることができるのでしょうか。

動物病院で診察を受ける猫のイメージ写真

一番効果的なのは去勢手術&避妊手術
発情中の飼い猫の行動に悩まされている人にとって一番効果的なのは、オス猫に去勢手術をメス猫に避妊手術を受けさせることですが、「怪我もしてないのに手術をするなんて可哀想だ」と思ったり、「手術をすることで猫の性格が変わってしまうのでは?」と心配になったりして、手術をためらってしまう飼い主さんもいるようです。

しかし交尾ができない発情中の猫は、人間には想像もできないほどの強いストレスを感じると言われています。ストレスは時に病気を引き起こすきっかけにもなってしまうので、我慢を強いるだけでなく健康面でも飼い猫に辛い思いをさせてしまうことになりかねません。

逆に手術を受けさせることには大きなメリットがあります。

メス猫の場合は避妊手術を受けさせることで婦人系の病気から予防できるようになり、その分、寿命が延びる可能性も高くなります。オス猫の場合は通常よりも濃いオシッコをするスプレー行為を防いだり減らす効果があります。また、健康面だけでなく去勢手術や避妊手術を行うことで猫の性格が穏やかになったり、子猫のような可愛らしさがいつまでも残ったりするのもメリットと言えるでしょう。

そのため、オスメス両方の猫を飼っている場合はメス猫だけ避妊手術を受けさせるのではなくオス猫にも去勢手術を、オス猫だけしか飼っていない場合でも去勢手術を受けさせることを検討した方が良いでしょう。

異性の猫と接触させない
去勢手術や避妊手術をせずに発情期の行動を軽減したい時は、できるだけ異性の猫と接触させないように配慮しましょう。窓ガラス越しであっても異性の猫を見せない方が良いです。ただし、異性と出会えず交尾もできない状態だと強い不満を感じてしまうので、飼い主さんが遊びなどでストレスを解消してあげることが大切です。

綿棒での擬似交尾
猫は交尾排卵動物ということもあり、最近では綿棒を猫の陰部に入れて刺激を与える発情期対策も効果があると言われることがありますが、これは専門家の間でも意見が分かれる対処法です。また、知識がないままを自己判断で行ってしまうと陰部を損傷させてしまう可能性もあるので、擬似交尾を実施したい場合は獣医師など専門家に相談すると良いでしょう。

いずれにせよ飼い猫に去勢手術や避妊手術を受けさせない場合は、発情は猫の本能なので基本的に人間がコントロールするのは難しいことであるという意識を持つ必要があります。

参考:猫の去勢手術、避妊手術│Cat Press