黒猫のラスボス感もハンパない!猫10匹の視線を釘付けにした方法、その秘密は「二刀流」にあった

たくさんの猫を目の前にした時、ネコ好きならば「猫の視線を独り占めしたい」と思うのは自然なこと。しかし、猫は気分屋でマイペースな生き物。全員を同時に振り向かせるのは容易ではありません。

そんな中、香川県の保護猫カフェで撮影された1枚の写真が大きな話題を呼んでいます。

10匹の猫の視線を釘付けにした写真 by necobokko CAFE
実際の写真(提供:さとう@猫ぼっこさん)

円柱型の台の上に密集している猫たち。下の段には9匹の猫が、上の段には1匹の猫が乗っていて、ぜんぶで10匹もの猫が集まっていますが、ここは保護猫カフェ。たくさんの猫がいること自体は不思議ではありません。

注目なのは全員がカメラ目線であること。最前列にいる猫はもちろん、端っこや後ろにいて見づらそうにしている猫まで、一匹残らずこちら側を見つめていて、その視線の先にいる人間は猫にモテモテ状態。これだけたくさんの猫に同時に見つめられたら、さぞかし心地よいことでしょう。

さらに気になるのが、上段にぽつんと座っている黒猫ちゃんの存在。

他の猫たちは下段でスペースを奪い合うようにひしめき合っているのに対して、この猫ちゃんは見晴らしが良い上段の台をゆったりと独り占め。下にいる猫たちのちょうど中心にポジショニングしていることから、まるでたくさんの家来を従えたボス猫のような佇まいです。

SNSのXでは、2.5万を超える”いいね”が寄せられるなど大きな注目を集めているこの写真。

どのような状況を撮影したものなのか、投稿主さんに聞いてみると、猫たちが乗っている場所は「猫ステージ」という保護猫カフェ内に設置してある猫専用の遊び場で、撮影した日も猫じゃらしを使って遊んであげていたのだそう。始めの方は上段にも他の猫がいる状態だったものの、猫じゃらしに少しでも近づきたい子たちが下段に集まってしまい、たまたま写真のような構図になったのだとか。

それにしても、猫じゃらしだけで10匹もの猫の視線を釘付けにすることができるのでしょうか。

投稿主さんに詳しい話を聞いてみると、実はこれ、「猫じゃらし」と「スマホ」の二刀流による効果なのだとか。猫じゃらしの動かし方を工夫したり、スマホから音を出したりすることで、猫たちの反応を良くすることが出来るのだそう。片手に猫じゃらし、片手にスマホを持ってそれぞれを操るため、ある程度の器用さは求められそうですが、多頭飼いしている人にはお家でも試してみたくなる撮影テクニックですね。

全員が同じ方向を向く9匹の保護猫 by necobokko CAFE
二刀流を駆使すればこんな写真も

一方、上段に1匹だけ座っている黒猫ちゃんの存在については、「遊びながら写真や動画を撮っていたので、撮影中は「みんな集まってかわいいな」くらいにしか思っていませんでした。出来上がった写真をチェックしてみると上段で一匹だけオーラの違う猫がいて…「猫たちを従えて強そう」と思いました。」と回答。

写真ではボス猫っぽさを感じたそうですが、実際には猫じゃらしに対してぐいぐい迫るタイプの子たちが下段に集まっていて、黒猫ちゃんは少し離れたところから、さりげなく冷静に獲物狙っている立ち位置なのだとか。写真の構図とのギャップにほっこりさせられるエピソードです。

necobokko CAFEにいる保護猫、ひじき君
上段にいた猫は「ひじき」君

この保護猫カフェは昨年8月、本格的な料理と猫とのふれあいが楽しめる複合施設として、香川県多度津町にオープンした「necobokko CAFE」というお店。

写真に写っていた10匹は保護猫カフェのスタッフで、お店に訪れれば実際に会うことが可能。店内には全部で25匹ほどの猫ちゃんがいて、自由気ままに過ごしていると言います。

香川県多度津町にオープンした、本格的な料理と猫とのふれあいが楽しめる複合施設「necobokko CAFE」店舗外観イメージ
「necobokko CAFE」

冒頭の写真に写っていたのは、実際にはボス猫ではありませんでしたが、25匹もの猫が暮らしている環境だと、本当にボス猫のような存在がいるのでしょうか。

その点について聞いてみると「猫同士の相性はありますが、ボス猫といった存在がいるわけではないです。自己主張が強い子、控えめな子、それぞれですね。頭数と空間のバランスを考えて、それぞれの猫たちにとっての逃げ場や安心できる場所を確保できるよう配慮しています。ですので、今のところ大きな争い事なく過ごす事が出来ています。」とのことで、適正な管理によって猫ちゃんたちの快適な生活空間が保たれているようです。

necobokko CAFEの螺旋階段で撮影した猫スタッフの集合写真
螺旋階段での集合写真

今回、インタビューに答えてくれた投稿主さんは、もともと保護ボランティア団体に所属。

そこでのお手伝いを通じて感じたのが、常に「人手」「お金」「場所」の問題と向き合う必要があるということ。その解決に向けて自分に出来ることを…と考えた結果、オープンに至ったのが「necobokko CAFE」。運営するにあたって「障がいのある方々と一緒に働く保護猫施設を作る」「保護猫ボランティア団体への寄付に繋がる商品を作る」という目標を掲げていると言います。

インタビューの最後に、読者に伝えたいことを聞いてみると「necobokko CAFEでは連携している保護ボランティアさんからの依頼で保護猫を受け入れており、新しい家族との出会いを待っています。また、障がいのある方々が働く場所としてカフェ業務の一部を担っていただいたり、そういった方々が製作したオリジナル猫グッズもショップ(necobokko.base.shop)で販売しており、人にも猫にも優しい場所を目指している保護猫カフェです!応援していただけたら幸いです。」と思いのこもったメッセージを寄せれてくれました。

保護猫カフェにいる猫ちゃんたちの様子は、XだけでなくInstagram(@necobokko)でも公開されています。

取材協力:さとう@猫ぼっこ(@necobokko)さん

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