かわいい子連れ姿も確認!ヒョウのような美しい猫「オセロット」の巣が20年ぶりに発見
アメリカ合衆国の内務省内にある野生動物の保護管理を専門に行う組織(USFWS)が、ヒョウのような模様を持つ猫「オセロット(Ocelot)」の巣を20年ぶりに発見したと発表しました。
オセロットは米国の南西部からアルゼンチン北部にかけて広く生息しているヤマネコの一種で、ヒョウのような美しい斑点模様を持っており、容姿が似ていることからオシキャットの語源ともなっている猫です。
野性味あふれる容姿ながら人に慣れやすい性格で、ヤマネコの中では最もペットとして人気のある猫種として知られています。また、美しいスポット模様の毛皮が非常に高価なものとして扱われることから密漁の対象となりやすいうえ、車両との衝突事故が多いことも相まって個体数が減少しており、アメリカ、メキシコ、コロンビア、アルゼンチンなどの国々では絶滅危惧種に指定されています。
そんなオセロットの巣が見つかったのは、生息数がわずか50頭程度と見られていたアメリカのテキサス州。その南部にある「ラグナアタスコサ国立野生生物保護区」の中です。
研究者がオセロットの拠点になりそうな場所に遠隔カメラを設置して監視を続けたところ、メス猫が子猫を連れて歩いている姿が確認されました。子猫が存在するということは、その区域でオセロットの繁殖が行われていることを示唆しています。
さらに研究を続けていくと、保護区には7匹のメスの成猫がいることが判明。そのうち、子猫を連れていない成猫にGPSを装着して行動を追跡したところ、20年ぶりに、保護区では初めてオセロットの巣を発見することに成功したのです。
研究者が巣の中を調査したところ、生後3週間ほどの子猫がひとりでいるところを発見。子育ての邪魔にならないように、母猫がいないうちに子猫の測定と撮影を素早く行い、その区域を脱出しました。
研究者によると、今後は数年かけて子猫の成長などを追跡していく予定だと述べていますので、今後の続報が期待されます。
一方で、オセロットを保護していくためには保護区内だけの対策では不十分で、私有地においてもオセロットの生存と固体の増加が確認されていることから、民間の土地所有者の協力を得て保護していく重要性も指摘されています。
日本でもイリオモテヤマネコやツシマヤマネコが長らく絶滅危惧種に指定されており、関係団体や研究者などによる対策や啓蒙活動が行われていますが、いまだ解除されるには至っておらず、希少猫の個体数の回復が容易ではないことを改めて感じさられるニュースですね。
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