ネコが日本の美しい季節を穏やかに解説してくれる新刊「いやしの七十二ャ候」
ふくよかな猫のイラストたちが、心ほどける季節の言葉を届けてくれる書籍「いやしの七十二ャ候」が11月15日に刊行されました。
昔の日本では、太陽の動きに合わせ自然や天候の変化を感じながら、季節に寄り添って暮らしてきました。
現在でも有名なのが、一年間を太陽の動きに合わせて24等分に区切った昔の暦「二十四節気(にじゅうしせっき)」。
もともとは古代中国で考案されたもので立春や春分、夏至、秋分、立冬など季節を表す言葉として用いられていますが、それをさらに3分割して72等分に細分化したものが「七十二候(しちじゅうにこう)」と呼ばれる季節表現です。
例えば「立冬」であれば以下のように3等分され、その下に記載された「七十二候」の各名称は、気象の動きや動植物の変化を知らせる短文になっています。
・立冬初候 11月7日~11月11日
→山茶始開(つばきはじめてひらく)
・立冬次候 11月12日~11月16日
→地始凍(ちはじめてこおる)
・立冬末候 11月17日~11月21日
→金盞香(きんせんかさく)
「二十四節気」では古代中国の名称がそのまま使われていますが、「七十二候」の名称は江戸時代以降に日本の気候や風土に合わせて何度か改訂されており、本書はそんな72の句からなる「七十二候」を、ふくよかな猫のイラストとともに分かりやすく紹介してくれる書籍です。
ひとつの区切りはおよそ5日ほどの短い期間。
何かと慌ただしい現代社会では、過ぎゆく季節に思いを馳せる時間も余裕もない・・という人も少なくないと思いますが、昔の人は5日ほどの時の流れにも季節の移ろいを感じていたかと思うと、なんだか情緒的。
そんな忙しい現代でも少しだけ立ち止まって「季節が変わる匂い」を感じることができたなら……そんな思いで執筆されたのが本書で、ふっくらほほ笑む猫たちが毎日がんばる読者の心をほぐすため、おだやかに、そして時にだらしなく、日本古来の季節の区切りを表した言葉を綴っています。
著者は、Twitterで日本の風土から生まれた美しく優しい言葉を、かわいい猫のイラストで紹介している大和猫(やまとねこ)さん。
本書のイラストはほとんど新たに描き下ろしたもので、どこをめくっても、微笑みの猫がいっぱい。流れるように過ぎ去っていく日々の中で、ふと立ち止まらせて肩の力を抜いてくれる、そんな一冊となっています。
著者:大和猫
仕様:四六 変形判 オールカラー
頁数:128ページ
出版:KADOKAWA
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(C) KADOKAWA CORPORATION