猫のマンガでうつ病のリアルを描いた「うつを甘くみてました」第2弾は家族目線のストーリー
日本では患者の数が100万人を超えると言われるほど身近な精神疾患である「うつ病」。
しかし、精神疾患の中にはうつ病だけでなく、双極性障害、パニック障害など細かな分類や診断があり、同じ症状でも病名が異なる場合があります。
そのため、自覚症状がある場合は休養を取り、自己判断をせずに専門医がいる医療機関へ受診することが重要になりますが、自分では気づけない場合もあることから、家族や職場の同僚など近くにいる人が気づいてあげることも大切です。
本作は、そんなうつ病についてマンガを通じて学べる書籍で、主人公は定年間近でもバリバリと働いている「猫田」。
近所には嫁いだ娘の「ブリ猫」が住んでいて、二人目の子供を出産したばかり。仕事と家族に恵まれて「猫田」は公私ともに順風満帆のはずだった……。
ところがある日、娘の「ブリ猫」が自宅の床に意識混濁で倒れてしまい、すぐに救急車で緊急搬送することに。
搬送先の病院で発覚したのは、「ブリ猫」が内緒で精神科に通院していたという衝撃的な事実。
家族に隠れて過食嘔吐を繰り返し、自傷行為をしていたことも明らかになったほか、処方されていた安定剤を大量に飲んでしまい、オーバードーズと言われる薬の過剰摂取が今回の症状を引き起こしたことが医者から告げられます。
そこで父の「猫田」は、初めて娘が病を抱えていたことを知ることに。
登場人物は可愛い猫のキャラクターたちで分かりやすいマンガ形式になっていますが、物語の内容は、実在する家族の数十年にもおよぶ闘病記を描いたノンフィクション。
イラストや漫画を投稿&閲覧できる会員制サイトpixiv(ピクシブ)の人気実録エッセイで、第一弾は患者である「ブリ猫」の視点で描かれていましたが、第二弾の今回は父親の「猫田」が主人公となり、さまざまな出来事が家族の目線で事細やかに描かれています。
本作を通じて見えてくるのは、病に苦しむのは患者本人に限らず「患者を支える家族も当事者」であるということ。
物語の中では実際に主人公の「猫田」が不眠や抑うつ症状に悩み、心療内科を受診する様子が描かれており、支える家族も思い悩んで自分自身が患者になってしまうこともある…。そんな患者家族のリアルさが描かれた作品となっています。
本作はマンガよもんが(yomonga.com)やLINEマンガなどのコミックサイトにて連載中で、2020年の1月には単行本の発売も予定されています。
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