観光客が減ったお城をV字回復させたネコの実話を書籍化「備中松山城 猫城主 さんじゅーろー」

岡山県高梁市にある備中松山城(びっちゅうまつやまじょう)に迷い込んだ一匹のネコが、観光客の減ったお城をV字回復させる様子を描いた実話物語「備中松山城 猫城主 さんじゅーろー」が7月18日に刊行されました。

「備中松山城 猫城主 さんじゅーろー」の表紙
備中松山城 猫城主 さんじゅーろー

備中松山城は標高430メートル、現存する天守を持つお城としては日本で最も高い場所にあり、秋から春にかけての早朝に条件がそろえば雲海に浮かぶ幻想的な姿を見ることができることから、天空の山城とも呼ばれ人気を博しています。

天空の山城とも呼ばれる「備中松山城」が雲海に浮かぶ様子
雲海に浮かぶ備中松山城

しかし2018年7月、西日本で特に大きな被害をもたらした「平成30年7月豪雨」が発生。岡山県では風水害による戦後最悪の被害を受け、備中松山城のある高梁市も観光客の足が遠のいてしまいます。

そんな時、城へふらりと迷い込んできたのが、本書の主人公である茶白ネコ。

備中松山城の城主&茶白猫「さんじゅーろー」
推定4歳のオス猫なのニャ

管理人さんが食べ物を与えているといつの間にか住み着いてしまい、人に囲まれても動じず、撫でられても嫌がらないマイペースの性格から魅了されてしまう観光客が続出。その噂が口コミやSNSで広まると、大きく落ち込んでいた来城者数は急回復し、さらに地元紙やテレビ、雑誌などで報道されるようになると人気に火が付き、災害前を上回るような水準にまで観光客が訪れるように。

その後は元の飼い主さんが見つかるも、紆余曲折を経て市の観光協会に引き取られ、今では正式に「猫城主」としてお城を訪れる人々を楽しませています。

備中松山城の猫城主「さんじゅーろー」の横顔
毛はかなりモフモフな感じ
ベンチで眠る備中松山城の猫城主「さんじゅーろー」
思わず撫でたくなる寝姿


 
観光客にカメラ目線を送る備中松山城の猫城主「さんじゅーろー」
カメラ目線もできるニャーよ

本書はそんな迷い猫が災害の影響を受けた備中松山城に観光客を呼び戻し、復興にも貢献する様子を描いた実話に基づく物語。今でこそ幸せに暮らして観光客に「おもてにゃし」をしているネコですが、すべてが順風満帆だったわけではなく、時にはつらく悲しい出来事やピンチに遭遇したことも。

その時ネコを取り巻く人たちは、どのように対処して喜びやチャンスへと変えていったのか、その舞台裏についても描かれています。

<目次>
はじめに
第1章 かつてない豪雨災害
第2章 救世主あらわる
第3章 なつめ
第4章 まちをあげての大捜索
第5章 みんなが幸せに
あとがき

猫城主の名前は「さんじゅーろー」。これは江戸時代に活躍した備中松山藩出身の武士で新撰組七番組組長も努めた「谷三十郎」を、高梁市の観光協会がどのようにPRしていこうか検討している最中であったことから、さんじゅーろーと名付けられたのだとか。

備中松山城をバックに写真撮影をする茶白猫の「さんじゅーろー」
新選組ともご縁があるのニャ

現在は身の回りのお世話をしてくれる家臣(=観光協会の人々)を従えて場内を見回り、観光客とふれあったり記念撮影に応じたりしながら、過ごしているという「さんじゅーろー」。

中には天守ではなくネコを目当てに城へ訪れる人も増えており、本書には「さんじゅーろー」に会うために山道を登ってやってきて満面の笑みで抱っこする86歳のお婆さんや、亡くなった愛猫を「さんじゅーろー」に重ねあわせてその再会に涙する人など、感動のエピソードも収録。

可愛らしい「さんじゅーろー」の写真もたくさん掲載されているほか、漢字にはふりがなが振ってあるため、大人はもちろん小中学生でも楽しむことが可能。印税の一部は、備中松山城の観光事業推進などのために役立てられる書籍となっています。

備中松山城内を散歩する「さんじゅーろー」
日々の見回りは欠かせニャイ
備中松山城から雲海を見渡す猫城主「さんじゅーろー」
雲海を見渡す猫城主
備中松山城の猫城主「さんじゅーろー」
我輩のお城なのニャ
書名:備中松山城 猫城主 さんじゅーろー
著者:西松宏(にしまつ ひろし)
体裁:A5版・並製・136ページ
出版:ハート出版
発売:2019年7月18日

© Heart Shuppan

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