猫の言葉をシンプルに理解するためのフォトブック「ねこ語会話帖」
猫の言葉をシンプルに理解するためのフォトブック「ねこ語会話帖(ネコゴカイワチョウ)」が先月発売されました。
気が付くと背後にちょこんと座っていたり、床に寝そべって伸びていたり、窓の外をぼんやり眺めていたりと、何気ない姿でいつも私たちを癒してくれる猫。彼らは人間の言葉を話すことはできませんが、猫ならではの表現方法でその時々の気持ちを表しています。
「楽しいな」「そばにいたいな」「安心だよ」「いやだなあ」「不安だな」「ごはんまだなの?」など、猫がいま感じている気持ちを私たちが手に取るように分かればどんなに素晴らしいことか、想像するだけでワクワクしてきますよね。
本書は猫が体の部位や行動などで表現している「ことば」を、かわいい写真100点を交えながら紹介する、学びながら癒されるフォトブックです。
その「ことば」の解説範囲は多岐にわたり、目(見る)、耳、鼻(においを嗅ぐ)、口(鳴く、なめるなど)、頭部、足、しっぽ、全身、毛づくろい、トイレ・排泄、寝姿・座り方、好む場所・もの、戦闘・威嚇・破壊行為、猫と人との間の行動など、全部で15の大項目に分類して「猫のことば」を解説。
例えば「全身」の項では、「左右に何度も転がる」「触るとお腹を見せる」「真上に飛び上がる」など、全身を使った11の仕草を写真とともに一つずつ紹介。
猫を飼っているとよく見かける様々な仕草が120ページ以上にわたって収録されており、普段は何気なく視界に入っていた光景を思い返してみると、うちのコは「あのとき、こんなことを考えていたんだ!」と新たな気づきも得られそうな内容となっています。
猫が伝えたいメッセージを私たち人間が理解できたなら、猫と触れ合う時間や日々の暮らしがもっと良いものになるはず。
本書の著者は動物学者の今泉忠明(いまいずみ ただあき)さん。
父も兄も動物学者という動物一家で、東京水産大学(現 東京海洋大学)を卒業したのち、国立科学博物館で哺乳類の分類学・生態学を学び、旧文部省の国際生物学事業計画調査、旧環境庁の委託によりイリオモテヤマネコの保護を目的とした生態調査などに参加。
その他にもトウホクノウサギやニホンカワウソの生態、富士山に生息する動物の種類、トガリネズミをはじめとする小型哺乳類の生態・行動などを調査。
上野動物園の動物解説員を経て、日本ネコ科動物研究所の所長、静岡県伊東市にある「ねこの博物館」館長などを務めている傍ら、「ネコ なぜ?の図鑑 (学研プラス)」「猫はふしぎ (イースト新書Q)」「飼い猫のひみつ (イースト新書Q)」など、猫に関する書籍だけでも多数の著作を執筆しています。
そんな今泉さんの新刊「ねこ語会話帖」は、猫の使うことば(しぐさ)を楽しみながら理解することで、飼い主さんや猫好きな人がより猫のことを愛おしく感じられる一冊となっています。
著者:今泉忠明
発売:2017年11月1日
出版:誠文堂新光社
形態:単行本/電子書籍
画像提供:SEIBUNDO SHINKOSHA