料理研究家が観察した保護犬・保護猫たちの物語「いっぴきとにひき」

保護された犬1匹と猫2匹の日々を記録した写真集「いっぴきとにひき」が先月発売されました。

料理研究家・桑原奈津子さんの犬猫写真集「いっぴきとにひき」

本書は、料理研究家の桑原奈津子さんによる室内定点観察写真集で、外で生まれて保護された犬と猫たちが、関わり合い、関係を築き、人間と暮らしていく様子をいくつかの定点から記録した物語です。

書籍「いっぴきとにひき」の目次いっぴきとにひき 目次

最初に桑原さんの家にやってきたのは捨て犬として保護された「キップル」。その後、庭で母猫に放棄された黒猫「クロ」を家に招き入れ、最後に、里親募集されていた黒白ハチワレの子猫「小鉄」がやってきて、ぜんぶで3匹に。

桑原奈津子さんが飼っている保護犬「キップル」、黒猫「クロ」、黒白ハチワレ猫の「小鉄」左からキップル、小鉄、クロ

本書ではそんな3匹の暮らしを、独自の切り口で定点観察した写真集です。

「キップルと小鉄」「クロと小鉄」など互いの関係性を切り口にした視点から、「階段」「緑のラグ」「カバン」など場所やモノを切り口にした視点まで、さまざまな視点で捉えた観察の記録が収録されています。

緑のラグを切り口にした犬猫観察記 by いっぴきとにひき緑のラグで観察

カバンを切り口にした犬猫観察記 by いっぴきとにひきカバンで観察

写真と短い言葉から伝わってくる動物たちを見守る様子は、彼らを尊重する姿勢と深い愛情が浮かび上がってきます。

飼い主で著者の桑原奈津子さんは、料理研究家として雑誌や書籍でレシピ提供を中心に活動している傍ら、過去に「パンといっぴき」「パンといっぴき2」(PIEInternational)を執筆。食卓の記録をするうちにおこぼれを求めて写り込んできた愛犬とテーブルの写真が人気を呼び、英仏韓の数ヶ国で翻訳出版され、海外の新聞などでも取り上げられるなど話題となりました。


そんな桑原さんが保護された犬猫と暮らしている理由は、もともと自身が子供の頃に保健所の雑種犬を飼おうとして頓挫した経験から、大きくなって自分で飼えるようになったら、ペットショップではなく、引き取り手が少ない雑種の犬を飼おうと思っていたことが根底にあるのだと言います。

そして本書には、自身が感じている動物と暮らす喜びを伝えながら、犬猫の里親制度についてもっと多くの人に知ってもらえるようにとの思いが込められているのだとか。

また、どうすれば動物たちが室内で幸せに暮らせるかを考えたインテリアや工夫、料理研究家としてスタイリングもこなす桑原さんのライフスタイルを垣間見る楽しさも本書の醍醐味。ドライフードやオヤツなどのこだわりも紹介されています。

犬と猫のための愛用品 by いっぴきとにひき

飼い主の前だからこそ見せてくれる動物たちの自然体な様子がほほえましく、読むほどに雑種の犬猫と暮らすことの喜びを感じられる、そんな一冊となっています。

書名:いっぴきとにひき
著者:桑原奈津子/デザイン:中島基文
出版:大福書林
発売:2018年1月10日
仕様:A5横/並製/オールカラー
頁数:144ページ

画像提供:Daifuku Shorin