ペットのフォトグラファーによる共著、猫を上手に撮影するための解説本「ねこの撮り方まとめました!」
猫のさまざまな撮影テクニックを収録した書籍「ねこの撮り方まとめました!」が先月9月28日に出版されました。
本書は、トリマーやドッグトレーナーをはじめ様々な動物資格を保持するペトグラファー(ペットのフォトグラファー)の第一人者・小川晃代さんと、多いときには月に500頭以上の撮影を手がけるという同じくペトグラファーの湯沢祐介さんによる共著。
これまでにたくさんの動物達たち撮影をしてきた著者たちにとって、猫は特に撮影する機会がとても多い動物だったのだとか。
本書には何度も撮影を重ねる中で身についた「猫に負担をかけずに素早く撮る」というポリシーを大切にしながら、お洒落でかわいい「ねこふぉと」を撮るためのテクニックを惜しみなく詰めこんだ一冊です。
全7章にわたって構成されている本書の第1章は、意外にも「猫じゃらしの魔術師になろう」というテーマ。
猫じゃらしの魔術師とも言われる著者の湯沢さんは、「猫じゃらしを制する者は、猫写真を制する」と語るほど、その重要性を指摘。猫じゃらしの使い方から、1人で撮る場合と複数人で取る場合の使い分け、さらには猫じゃらしの手作り方まで解説しています。
続く第2章は「SNS映えする!スマホのねこふぉと術」。
最近はスマートフォンのカメラ性能が高く、シャッターボタンを押すだけで自動的にキレイな写真を撮影することができますが、ちょっとしたテクニックを加えることで更にキレイでお洒落な写真を撮ることはあまり知られていません。本章では基本の撮影方法から、明るさやコントラストの調整、前ぼけや背景ぼかしの方法、愛猫と一緒に自撮りする時のコツなども掲載されています。
カメラは持っていないけれど、スマホで猫の写真を撮ることが好きな人は、参考になりそうですね。
続く第3章は、レンズ交換式のカメラを使いこだわって撮影したい人向けのテクニックを解説。気になる項目の解説ページを開けば、カメラの難しい説明書を読むよりも簡単に思い通りの写真を撮ることができます。
その内容は多岐にわたり、大きなクリクリッとした瞳を撮る方法、かわいい寝姿の撮り方、肉球や口元などパーツをキレイに撮影する方法のほか、黒系の猫や多頭飼いしている猫を上手に撮りたい時の方法も伝授。さらには猫が舌をペロッと出した瞬間や猫同士の鼻キスシーンなど、一見決定的瞬間のように思えるシーンでも意図的に撮影するノウハウを伝授してくれます。
写真撮影のテクニックが身についてくると、それを披露したくなるところですが、4章では愛猫の写真を使ってオリジナルカレンダーを作成するためのポイントも紹介。
撮影前の猫のケアから、月ごとのセッティング、スタジオ風セッティング術など、プロならではのテクニックを学べます。
また、本書に掲載されているテクニックの中には、被写体である猫を飼っていないと実践するのが難しい項目も少なくありません。そんな方に向けて5章では、猫の撮影に適した猫カフェがいくつか紹介されています。
撮影を行うにあたってプロが重視している点とそれを満たす猫カフェが記載されており、撮影目的に合ったお店を把握できるので実用的。猫カメラマンの視点で見た猫カフェの評価というのも、本書ならではのユニークなコンテンツといえるでしょう。
6章では野良猫の撮影記を収録。
著者が日本各地で撮影した野良猫たちの写真が掲載されており、写真ごとに使用したカメラの機種や設定が書かれているので、こんな感じの写真を撮るためにはどのような設定にしたら良いのか、参考になりそうです。
最後の7章は補足ページ。
興味のない人や既に知識のある人は読み飛ばしても問題ありませんが、カメラの専門用語やカメラの設定、使い方などが解説されているので、本書を読んでカメラのことをもっと詳しく知りたいと思った方には、参考になりそうな内容となっています。
最近は猫の写真をSNSに投稿したり、キャンペーンやフォトコンテストに応募したり、気軽にフォトブックを作れたりと、何かと猫の写真を使う機会が増えてきましたので、猫を上手に撮影できるようになると楽しめる機会も増えそうですね。
画像提供:NIPPON CAMERA