『そこにいましゅか?』と聞いてくる割に、ぜんぜん近寄ってこない猫ちゃん。そのシビアな理由とは…
猫の個性は人間と同じように千差万別で、見た目だけでなく、行動にもその猫ならではの特徴がはっきりと現れます。
白黒猫のこもち君は、飼い主さんの存在を確認しようとするけれど、近くまでは寄ってこないことがある猫ちゃん。この日も飼い主さんが部屋の中で座っていたところ、誰かを探すように「ニャ〜」と鳴きながらやって来たかと思うと、柱の陰で急に立ち止まり、ひょいっと顔を出したと言います。
誰かいるのか覗いてみたけれど、それ以上は足を踏み出そうとしないこもち君。この後、1分ほどこの体勢のまま立っていたのだそう。一方、その光景を見て「覗いてる…可愛過ぎ…♡」と感じた飼い主さん。写真を撮影してSNSのXに投稿すると、1万を超える”いいね”が寄せられるなど、その可愛らしい仕草に魅せられる人が続出しています。
一見すると思わせぶりな性格をしている猫のようにも思えますが、実はこもち君がこのような行動を取るのには理由がありました。それは子猫の頃から目が見えないということ。目で確認することができない代わりに、音やニオイ、気配などを感じて周囲の状況を把握しようとするため、こうした行動は普段からよく見られる光景なのだとか。
それでもこの時、こもち君は飼い主さんが近くにいることを確認できたようですが、なぜか側までは寄って来なかったそうです。一体何故なのでしょうか。
飼い主さん本人に聞いてみると「恐らく…求めていた人物じゃなかったのでしょう 笑」とシビアな回答。どうやら他にお目当ての相手がいたようで、改めて探しに出掛けようと思ったのか、今度は真逆の方向へ鳴きながら歩いて行ったそうです。
『そこにいましゅか?』って聞いてくる割に全然来ないのホント可愛い pic.twitter.com/kWhc4wnp44
— ちぼ (@KomoChibo) April 4, 2024
こもち君は5歳の男の子。性格は周りに流されない我が道を行くタイプだけど、眠くなると甘えん坊になってしまう可愛らしい一面もある猫ちゃん。普段は大好きな同居猫の茶々ちゃんを探すのに忙しくしているのだそうで、もしかすると、今回『そこにいましゅか?』と探していた相手も茶々ちゃんだったのかもしれませんね。
そんなこもち君が飼い主さんのお家の子になったのは、母猫で元野良猫の「おもち」ちゃんが、子猫たちを連れてお庭にやってきたのがきっかけ。他の兄弟猫よりも体が小さいこもち君を見て心配になった飼い主さんは、その日のうちに保護することを決意。そして、抱っこをした時に目の焦点が合っていないことから、目が見えていないことに気づいたと言います。
その後、飼い主さんのサポートの甲斐もあって順調に成長していったこもち君でしたが、1歳ごろに突然てんかん発作の症状が現れると、自力で立とうとしても後ろ足がうまく動かなくて転んでしまうようになります。
一時は「もう歩く事ができないだろう」と思われるような状態だったそうですが、驚異的な回復力によって少しずつ歩けるようになり、今では真っ直ぐとはいかないまでも自分の足で歩けるようになったのだとか。
今回インタビューに応じてくれた飼い主さんのお家は、他に8匹もの猫がいるビッグファミリー。
猫を飼って良かったと思うことを聞いてみると、「全てです。猫と暮らしていて良い事しかありません。いろんな事を教えてくれて、いろんなものをくれます。」と回答。日々お世話をしているけれど、与えてくれるものの大きさから、逆に「人間の方が助けてもらっている」とも感じているのだそうで、愛猫への感謝の気持ちを明かしてくれました。
取材協力:ちぼ(@KomoChibo)さん