元タカラジェンヌが経営する競走馬の牧場にはカワイイ猫がいた!馬乗りやパトロールなど、牧場で暮らす猫の日常にインタビューで迫る

日本の代表的な馬の産地として知られる北海道の日高町。

その南部にあるヴェルサイユファームでは、東京ドーム7個分の広さがある敷地内で50頭近くの馬が育てられていますが、ここでは猫も一緒に暮らしていて、お馬さんとの微笑ましい光景が見られることもあるようです。

北海道日高町にある競走馬の生産牧場ヴェルサイユファーム
画像提供:ヴェルサイユファーム

先日、牧場のスタッフさんが馬の馴致(じゅんち:競走馬として慣らしていく作業)をしていると、そこへ白キジ柄の「モエ」ちゃんという猫がトコトコやってきて、その場でじーっと待ち始めたと言います。

そこでひょいと持ち上げて馬の背中に乗せてみると、猫ちゃんは手を離しても降りようとせず、バランスを取りながらポジションをキープ。最初はやや身構え気味で座っていたものの、お馬さんの触り心地が良かったのか、腹をペタンとくっつけて座り込んでしまいます。

鞍なしで馬の背中に乗る猫のモエちゃん in ヴェルサイユファーム
馬の背中に乗るモエちゃん

馬の背中は平坦な形状ではなく、人間が乗るための器具も装着されていないため、座っているだけでもかなりのバランス感覚が求められそうな状況。しかしモエちゃんは怖がる素振りも見せず、絶妙なフィット感で座っていて、まるでお馬さんの上で日向ぼっこを楽しんでいるかのようです。

牧場で馬の上に乗る猫のモエちゃん
気持ちよさそうニャ

その様子を見て驚いたというスタッフさん。お馬さん自体が1歳とまだ若いのに猫を乗せても驚くことなく人間の指示に従っていたほか、モエちゃんもお馬さんの上でバランスをとって座っていたことから「この猫は度胸があるな。やっぱこの猫は他の猫とちょっと違うな。」と感じたと言います。

というのも、モエちゃんはもともと好奇心旺盛な性格で、馬を厩舎から放牧地へ放ったり牧草地から厩舎へ集める時など、何処へでもついてくるアクティブな猫ちゃん。牧場を囲っている柵の上を歩くのも日常茶飯事なため、何かやってくれそうな雰囲気をもっていたのだそう。実際、初めての経験にもかかわらず、お馬さんを上手に乗りこなしてしまうあたりは非凡なセンスを感じさせられます。

では、当のモエちゃんはお馬さんの上でどのような気分だったのでしょうか。

牧場の方に聞いてみると「どうでしょうね…バランスをとって座ってましたので、まぁ悪くはないかな?って思ったのでしょうか。気温も暖かかったので心地よかったのかもしれません。」と、何となく座っていたように見えたのだそう。この後、モエちゃんは20秒ほどお馬さんに乗っていたものの、飽きてしまったのか自分から降りていったそうで、写真から動画に切り替えようとしていたスタッフさんは撮影チャンスを逃してしまったのだとか。

馬の背に猫が乗るというのは、なかなか見られない微笑ましい光景ですが、モエちゃんはこのお馬さんと特別に仲が良いという訳ではありません。まわりを見渡せばお馬さんばかりという環境で暮らしているため、モエちゃんにとってはその中の一頭という感覚。放牧地の中では色んなお馬さんたちと一緒に歩いて触れ合っているのだそうです。

厩舎で馬の世話を見つめる猫
お馬さんを見守り中

モエちゃんは6歳(推定)の女の子。ヴェルサイユファームとの出会いは、以前分譲の牧場を借りていた際に、スタッフさんが3匹の子猫を見つけたのがきっかけ。発見した時の子猫たちはお腹が空いていたのか、ずっと鳴き続けていたために「このまま置いて帰れない…」と感じたスタッフさんが連れて帰ってきたことから、牧場のファミリーとして飼うことに。モエちゃんはその時に迎え入れた子猫の1匹で、馬や猫だけでなく、牧場にいる犬やヤギなどの動物とも仲良く過ごしていると言います。

そんなモエちゃんの1日は朝事務所から出て、犬に「おはよう」の挨拶をするところから始まります。

ヴェルサイユファームで飼われている猫のモエちゃんと犬のティアラ
犬のティアラとモエちゃん

そのあとは、場内を歩き回って「ネズミがいないかな?」と探したりして、異変がないかパトロールするのがお決まりの行動パターン。お昼には犬の散歩へ一緒に出かけたり、来客が来たら必ずお出迎えしたりと活動的。その後一休みをした後はまた場内をパトロールして、夕方になると事務所に戻ってくるのだとか。

猫といえば一日中ゴロゴロしているイメージもありますが、モエちゃんはなかなか忙しい毎日を送っているようです。

競走馬の馬運車内を探検する猫のモエちゃん
馬運車の中を探検をすることも

今回、Cat Pressのインタビューに応じてくれたヴェルサイユファームは、元タカラジェンヌの岩﨑美由紀さんが経営している競走馬の生産牧場。

岩﨑さんは10代の頃から宝塚歌劇団で厳しい練習に励み、花組の娘役トップとして2年間活躍していた一方、小さい頃から何故か馬が好きだったのだそう。その馬が縁で結婚をしたご主人が牧場を経営していた関係から後を継いで代表に就任。現在はサラブレッドの育成に励むと同時に、生産した馬の胎盤から女性を美しくする美容液を開発して販売するという独自の取り組みも展開しています。

公式SNSでは牧場の日常風景として馬たちの成長を写真や動画などで公開中。たまにモエちゃんを始めとする猫や犬、ヤギなどの動物が登場することもあります。

取材協力:ヴェルサイユファーム株式会社(@Farm_Versailles)

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