村上春樹や水木しげるなど47名の作家による猫エッセイ集「猫なんて!」
小説家の村上春樹や漫画家の水木しげるなど、47名の作家がつづった猫のエッセイ集「猫なんて! 作家と猫をめぐる47話」がキノブックスより発売されています。
枕草子や更級日記など、日本では平安時代になると作家による猫の描写が見られるようになり、その後も画家や彫刻家などその時々の作家たちによって、猫は常に描写の対象となってきました。
本書は主に近代・現代の作家たちがつづった猫に関するエッセイを一冊にまとめた書籍。
谷崎潤一郎や萩原朔太郎、幸田文といった文豪から、吉行淳之介、丸谷才一、野坂昭如ら今は亡き文壇の重鎮、そして村上春樹、町田康、角田光代、浅田次郎、小池真理子などの現代における人気作家まで、47名の作家による猫エッセイが収録されています。
作家ならではの感受性や観察力、表現力などによって描写された47通りのエッセイは、ぷるぷるする猫、じゃれる猫、もったいぶる猫、路地裏に住む猫、夢を見る猫、恩返しをする猫、酔っぱらう猫、病に倒れ死にゆく猫など、作家の猫愛があふれるものからサラリと猫に触れているものまで、その内容はさまざま。
また文章によるエッセイだけではなく、水木しげる、長谷川町子、小林まこと、大島弓子などが描いたコミックエッセイも同時に収録しており、猫の魅力が存分に味わえる一冊となっています。
収録作家
角田光代、片岡義男、村上春樹、堀江敏幸、吉本ばなな、丸谷才一、鹿島茂、小林まこと、横尾忠則、穂村弘、浅田次郎、幸田文、吉行淳之介、長谷川町子、半藤末利子、加藤典洋、谷崎潤一郎、寺田寅彦、柳瀬尚紀、金井美恵子、池澤夏樹、柴田元幸、武田花、大島弓子、小池真理子、いしいしんじ、小倉千加子、伊集院静、平川克美、佐伯一麦、高橋源一郎、平出隆、佐々木幹郎、水木しげる、澁澤龍彦、安西水丸、斎藤環、野坂昭如、中井久夫、中島らも、田村由美、麿赤兒、保坂和志、アーサー・ビナード、田中小実昌、伊丹十三、町田康(掲載順)
本書はエッセイの内容だけでなく、作家のジャンルや年代などもさまざま。そのため、最初から順番に読み進める必要はなく、好きな作家や気になるタイトルのエッセイから読み始めてもOK。どこから読んでも楽しめます。
また、ひとつひとつのエッセイは短編なので、通勤通学の待ち時間やちょっとした空き時間、気分転換をしたい時などに、目に留まったエッセイをさらっと読んでみるのも良さそうです。
猫好きな人であれば、お気に入りのエッセイが見つかるかもしれませんね。
■猫なんて! 作家と猫をめぐる47話
発売日:2016年11月30日(水)
出版社:キノブックス
頁数 :244ページ
価格 :1,500円(税別)
画像提供:(C) KINOBOOKS