猫の介護について解説(時期、症状、介護方法など)

猫も人間と同じで、年を重ねると体の筋力が衰え、介護が必要になることもあります。大切な飼い猫に最期まで快適な生活をさせてあげるためには、健康なうちから猫の介護について学んでおくことが大切です。

 


猫の介護が必要になる年齢は?

猫は、人間のおよそ4倍速で年を重ねていく動物です。

一般的に猫の年齢が7~8歳を過ぎた頃から老化の特徴が目立つようになるため、12歳を過ぎると介護が必要になることも多いでしょう。

しかし、年を取ってきたからといって、必ずしも介護が必要になるわけではありません。シニア期は、飼い猫が「自分の力で動きたい」という意志を持っているうちは、必要以上の手助けをしないということも大切です。足腰が弱ってくるシニア期は筋力を維持していくためにも、できることはさせてあげましょう。

行き過ぎた介護はかえって、飼い猫の老化を早めてしまう原因にもなります。

 

介護が必要な老猫に見られる症状とは?

自力で歩けない
筋力の低下や病気によって飼い猫が自力で歩けなくなってしまった場合は、介護が必要になります。人間と同じで、猫も歩けないと筋力が衰えていき、寝たきりの状態だと床ずれを起こしてしまうこともあるでしょう。

自力で食べられない
食べることは、命を紡いでいくためには欠かせないことです。だからこそ、自力で食べることができなくなったときは飼い主さんが強制給餌を行ってあげる必要もあります。しかし、自力で食べられないときは老化が原因だけでなく、なんらかの病気で食欲不振になっている可能性もあるので、食欲が低下したときは一度、かかりつけの動物病院で詳しく検査をしてもらいましょう。

自力で排泄できない
筋力が衰えると、トイレまで自力で歩けなくなってしまったり、粗相をしてしまったりすることも多くなります。こうした場合は寝たきりであっても、自力で排泄ができるかによって行う介護が変わってきます。粗相してしまうときはトイレの設置場所に問題があることも多いので、シニア期にはトイレに向かうまでの道のりに段差を作らないよう、再検討してみましょう。

 

猫の具体的な介護法とは?

寝たきりの老猫にはマッサージが効果的
骨格や関節の機能が低下すると体は緊張状態になってしまうので、マッサージを行って血液の流れを促してあげましょう。マッサージは血行を促進してくれるだけでなく、四肢のむくみをとるといった効果も期待できます。

マッサージは被毛に沿いながら、手のひらで撫でるように行うのが基本です。基本テクニックとしては、下記の4つを参考にしてみてください。

1.円マッサージ
指の腹を使って、円を描くようにマッサージをすることでツボを刺激。

2.ニーディーング
指の腹を使って軽くつまむ

3.指圧
指の腹で垂直に施術部を押すことで、ツボを強く刺激

4.ストローキング
手のひらで施術部を包み込む、毛の流れに沿って撫でる。適度な圧力も加える

こうしたマッサージは1回につき15分ほど行うのが効果的です。ただし、猫の体調が悪いときや気分が乗らなさそうなときは避けるようにしましょう。

排泄介助ではオムツやペットシーツを活用
寝たきりの状態で排泄ができる場合は、ペットシーツやオムツを使ってその場で排泄をさせてあげましょう。

猫用のオムツがない場合は、人間の赤ちゃん用のオムツを使用するのもおすすめです。その場合は、オムツに尻尾を通せる穴を設けることも忘れないようにしましょう。

そして、自力で排泄ができない場合は尿毒症を避けるためにも、圧迫介助で膀胱を刺激する必要があります。圧迫介助は専門的な知識がいるため、事前に動物病院でレクチャーしてもらいましょう。

また、トイレまで自力で行けない場合は肛門周辺を清潔に保ってあげることも重要です。特に長毛種の場合は、肛門周りの被毛を短くカットするのもよいでしょう。

排泄が終わった後は、ペット用のウェットシートなどで体を拭いたり、局部的にシャンプーを行ってあげれば清潔感を保つことができます。

強制給餌は最後の手段に
自力でフードを食べないときは強制給餌をする前に、フードを見直してみましょう。

例えば、ドライフードをミルクでふやかしてあげたり、ヒルズのa/d缶を与えてあげたりするだけでも食欲は掻き立てられます。フードに、またたびや茹でたササミをトッピングすることも効果的です。強制給餌は、それでも食べてくれない場合に行うようにしましょう。

フードボウルから食べることができない子にはペースト状ものを手やスプーン、シリンジ(針のない注射器)で与えます。このときは一度に多くの量を入れず、少量を数回に分けて与えるようにしましょう。強制給餌を嫌がる場合は、バスタオルなどで体を包んで体を保定させると安全に行えます。

しかし、強制給餌はフードを飲みこむ力がないと行えません。そのため、フードを飲みこめない場合は、チューブによって栄養を摂らせてあげる必要があります。チューブ給餌は「経鼻チューブ」、「食道チューブ」、「胃ろうチューブ」といった方法があるので、獣医師と相談しつつ、飼い猫の症状に合ったものを行っていきましょう。

 

猫の介護の負担を減らすには?

大切な飼い猫であっても介護が長く続くと、飼い主さんが心身ともに疲れてしまうこともあります。そんな時は、老猫ホームや猫用のデイサービスを利用してみるのもおすすめです。

家庭の動物の介護問題を取り巻く環境やサービス等はまだまだ充実しているとは言い難い状況ですが、これから注目されていく分野でもあるので、今後は飼い主さんの取りうる選択肢が増えていくことが期待されます。

介護に負担を感じたらまずはひとりで抱え込まず、猫の介護経験者に相談したり、頼れるプロの力を借りることを検討してみましょう。老猫ホームの中にはお試しプランが設けられているところもあるので、費用面を考慮したうえで一度見学に行ってみるのも良いかもしれません。