猫がたむろする農家の仕事場が秘密結社のアジトみたい→母猫が繰り返し置いていく子猫を育てている優しいお家だった

猫はダンボールの箱に潜り込むのが大好きな動物ですが、中には畳んであるダンボールの上に座るのが好きな猫もいます。

農家を営む「甚左エ門のねこといぬ」(@niban_jnzm)さんがある日、仕事場の電気をつけると、高く積まれたダンボールの上でくつろいでいる猫たちを発見。その時の様子をSNSのXに投稿しています。

倉庫に高く積まれたダンボールの上でくつろぐ猫たち
ダンボールの上を猫が占拠(提供:@niban_jnzmさん)

風格がにじむ木造家屋の中にほんのりと薄暗さが立ち込める、喧騒から隔離されたような空間。その中でひっそりと猫が佇む姿は、まるで秘密結社のアジトのような雰囲気を醸し出しています。

と言っても、この子たちは勝手に忍び込んだ野良猫…というわけではありません。屋外で生活しているけれど不妊手術を施しマイクロチップも装着済みの飼い猫ちゃんで、普段はお家の庭や畑などで気ままに過ごしていて、ご飯の時や夜寝る時になると仕事場にやってくるのお決まりの行動パターン。冒頭の写真はそんな就寝中に電気を点灯した時のシーンで、確かに猫ちゃんたちの表情はとても眩しそうに見えます。

ところで、猫ちゃんたちは何故この場所で寝ているのでしょうか。積まれているダンボールは仕事用のもので、頂上部分は1.8mくらいにも達するというから中々の高さです。

投稿主さんに聞いてみると、ダンボールの平らで固すぎない感触が快適なのと、木登り好きなので高いところにいるのが楽しいのではないかと推測。また、すぐ左側にはロフト状の物置がありダンボールを登って上の階へ行くのに便利なほか、仕事場には誰かしら人がいることが多く甘えたりオヤツの催促もしやすいことから、猫たちにとっては都合の良い場所なのだとか。

段ボールの量があまりに少ない時は登らないのだそうで、猫にとって高さは重要なポイントであるようです。

松の木を上る猫
木登りが大好きな猫ちゃん

一方、ダンボールは爪とぎ用に使われることも多い素材。猫ちゃんが爪をといでしまう心配はないのでしょうか。その点についても聞いてみると、仕事場に出入りする猫たちは庭や畑の木で爪をとぐのが習慣になっていて、市販のダンボール製の爪とぎを使ったこともないため、平置きされたダンボールで爪をとぐことはないのだそう。

とは言え、仕事用のダンボールであることから、猫が乗っていないキレイな面のダンボールを使用するよう、衛生面には気をつけていると言います。

写真に写っている猫の数は3匹ですが、実は投稿主さんのお家には8匹の猫がいて、飼うことになった経緯がちょっぴり変わっています。

<猫のメンバー構成>
0期生:ちむ♂ (2011.11)
1期生:ちゃし♂、みけこ♀ (2020.10)
2期生:くまどり♂、ちょび♀ (2021.5)
3期生:ベイ♀、マルフォイ♂ (2021.11)
4期生:がぶ♂ (2022.7)

このうち、1〜4期生までの7匹はなんと同じ野良猫のお母さんから産まれ、最終的に投稿主さんの家に置いていかれてしまった猫たち。

トラクターの上に乗ってくつろぐ猫たち
トラクター好きな猫たち

その母猫は近隣で子猫を産んでから3ヶ月ほどするとお家まで連れてきて、成長したら置いて行くサイクルを繰り返すために猫の数がだんだんと増加。賢くて警戒心が強い性格の母猫は捕獲するのが難しく、代わりに子猫を保護して里親募集をしたり自身が引き取ったりしているのだと言います。

置き去りにされてしまった子が大半にも関わらず、8匹もの猫の面倒を見ている投稿主さん。

猫たちに対してどのような感情を抱いているのか聞いてみると「我が家はもともと犬派で猫は飼っていなかったのですが、いつの間にか猫が人間の数を上回る猫屋敷になってしまいました(笑)。今では酸素のような存在でいないと生きていけないかもしれません。」と、知らず知らずのうちに猫の存在が大きくなっていった様子。また、家の中でも外でも猫の姿を見て家族みんなで癒されていることから、「お世話をしているようで、実際には人間の方がたくさんのものを受け取っている」ように感じているのだそう。

ビニールハウスの屋根の上に乗る猫
ビニールハウスの上も猫の遊び場

その一方で「保護活動をされている方々とは違って、敷地内にいる猫たちしか何とかできないのですが、うちに来たのもご縁と考えています。猫たちがハッピーな猫生を送ってもらえることを願っています。 」とも語り、引き取った猫たちへの愛情と責任感が伝わってくる温かいメッセージを寄せてくれました。

取材協力:甚左エ門のねこといぬ(@niban_jnzm)さん

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