法要をサボった猫ちゃん、お寺に戻ってきたところを別の猫に見つかってしまう(兵庫・不徹寺)
法要は亡くなった故人の冥福を祈って供養する仏教の儀式。お寺では1年のうちにさまざまな法要が行われていて、猫が暮らしているお寺では猫ちゃんが参加することもあります。
ところがつい先日、兵庫県姫路市にある不徹寺(ふてつじ)で目撃されたのは、法要をサボってしまった猫ちゃんの姿。その時の様子を捉えた写真が公開されています。
そこに写っていたのは、お寺の外でバツが悪そうな表情を浮かべたまま室内を見つめる白猫と、その様子を高みの見物をするようにお寺の中からうかがう黒猫。
これは法要が終わった直後に撮影された写真で、法要の最中に境内をパトロールして戻ってきた白猫を、法要に付き添っていた黒猫が待ち構えているという構図。まるで法要をサボっていた白猫が黒猫に怒られているような光景です。
この後、2匹は窓ガラス越しに見つめ合ったまま30秒ほど経過すると、許し許されることができたのか、黒猫は室内の奥へと移動し、白猫は窓を開けてもらって入室することができたのだとか。
🐈⬛お前法要サボったやんか
🐈エッ…来いって言われてないッスけど…
🐈⬛お客さんに喜んでもらうのが寺猫活動なんや、次からちゃんとせぇ
🐈えぇ…はぁ、はい…とりま入れてもらって良いっすか pic.twitter.com/TVYX3LHran
— 臨済宗妙心寺派 松壽山不徹寺 (@futetsuji) January 25, 2024
不徹寺は臨済宗妙心寺派の尼僧庵で、江戸時代の俳人・田ステ女(でん すてじょ)によって女性のための修行道場として創建され、代々女性のみによって受け継がれている日本唯一のお寺。2016年より松山照紀さんが25代目の住職を務めています。
現在お寺では2匹の猫を飼っていて、それが黒猫の織部(おりべ)ちゃんと、白猫の白樂(しろらく)ちゃん。
黒猫は住職さんが修行時代に死にかけているところを拾い、そのまま育てて今に至るという幸運な猫ちゃん。白猫はもともと地域の野良猫だったものの、ある時からお寺の境内に入ってくるようになったため、去勢手術を施しワクチンを打ってお迎えすることに。
お寺での普段の過ごし方は黒猫が室内を担当し、白猫が外周りを担当するというテリトリー分担をしているそうで、白猫が外へ出ていくところを黒猫が窓越しに見送ったり出迎えたりすることはよく見られる光景なのだとか。
実はこの2匹は雑誌に登場したこともある人気猫。
黒猫の織部ちゃんは日本の神社仏閣とそこで暮らす看板猫を紹介した『cats is living shrines and temples』(BIGLOBE)に、白猫の白樂ちゃんは同山住職の書籍『駆け込み寺の庵主さん』(双葉社)で表紙に掲載されるなど、ネコ好きな人の間では知る人ぞ知る寺猫ちゃん。
そしてお寺の中では2匹による静かな覇権争いが日々行われているのだと言います。
そんな猫たちは不徹寺にとってどのような存在なのでしょうか。
不徹寺のX(旧Twitter)担当者さんにきいてみたところ、「お寺という環境ではさまざまな方がご来山されます。猫たちがいることでご相談される方々の癒しになっていると感じますし、お寺より猫のファンとなる方もおられます。」と看板猫のような存在であることを語った一方で、「つかず離れずにいい距離で暮らす猫たちを見ていると、人付き合いなどに関しても猫のように過ごすことができればいいなと感じます。」とも語り、人間にとって学ぶことの多い存在であることを明かしてくれました。