本当にあった難民家族と猫の物語「難民になったねこ クンクーシュ」

子どもに親しみやすい猫を通じて難民問題を心で感じる絵本「難民になったねこ クンクーシュ」が8月に刊行されました。

絵本「難民になったねこ クンクーシュ」の表紙

本書は、ほんとうにあった難民家族と猫の物語で、家族とはぐれてしまった猫がボランティアの力によって遠く離れた地で再会を果たした実話を元に、アメリカで出版された絵本の日本語訳版です。

主人公は、本書のタイトルにもなっている「クンクーシュ」という名の白猫。

イラク軍とイスラム過激派組織の戦闘が激化していたイラク北部の都市・モスルで、母と5人の子どもたちの家族に可愛がられていたクンクーシュはある時、密航業者が手配したボートで着の身着のまま祖国を逃れる家族と一緒に海を渡りますが、ギリシャのある島に着いたところではぐれてしまい一人ぼっちになっていしまいます。

しかし幸運なことにクンクーシュは、難民支援のために島を訪れていたボランティア女性に保護されることに。


保護したボランティアはクンクーシュが難民が飼っていた猫ではないかと感じたことから、Facebookで飼い主を探し始めると、様々な人が協力を申し出て4,000人を超える人々がその情報を拡散。また、海外ニュースでも次々と報じられるようになったことから遂には難民家族の知るところとなり、家族はクンクーシュの飼い主であることを名乗り出ます。

その後、別のボランティアの力を借りてクンクーシュは、イラクから5,000キロ離れた北欧・ノルウェーで4ヶ月ぶりに飼い主家族と奇跡的な再会を果たす・・・そんな感動ストーリーを描いた絵本の翻訳版が本書。

日本語版の制作をするにあたり、翻訳者が原書の中に登場するボランティアの人たちにSNSなどを通じて直接連絡をとって事実を確認しているほか、物語の「その後」もリサーチ。また、来日したボランティアに会って今も続いている支援活動の一端にふれるなど、そうした情報が日本語版である本書の袖や帯などの言葉に活かされています。

「難民とは?家族とは?国際支援とは?」
再会の感動的なストーリーだけでなく、現在の世界と自分を考えるたくさんのヒントが詰まっている、そんな一冊となっています。

書名:難民になったねこ クンクーシュ
文 :マイン・ヴェンチューラ
絵 :ベディ・グオ
監修:ヤズミン・サイキア
翻訳:中井はるの
仕様:32ぺージ/オールカラー
定価:本体1,700円(税抜)

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