猫のシャンプーの必要性、やり方や手順などについて解説
猫は水に濡れることを嫌う動物ですが、飼い主さんの中には犬と同じで猫にも「シャンプーをしてあげたほうがいいのかな」と思っている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は猫にとってシャンプーは必要なのかということも含め、シャンプーの仕方や注意点なども詳しく解説していきます。
猫にシャンプーは必要なの?
猫は自分の体を自分で毛づくろい(グルーミング)して清潔を保っているので、基本的にシャンプーは必要ありませんが、飼い猫の被毛の長さや品種によって検討していくようにしましょう。
■無毛種
無毛の猫は月に1~2回程度、定期的なシャンプーを行ってあげたほうが健康を維持できます。特にスフィンクスは他の猫種よりも皮脂の分泌が多いので、定期的にシャンプーを行ってあげないと皮膚病を引き起こしてしまう危険性が高まります。
■短毛種
換毛期のような抜け毛が激しい時期にシャンプーをしてあげる程度で良いので、半年に1回くらいシャンプーしてあげるとよいでしょう。
■長毛種
長毛の猫は抜け毛の量が多いため、自分で毛づくろいをするだけでは抜け毛を十分にケアすることができず、抜け毛が消化器官内に留まって吐き出せなくなる「毛球症」や「腸閉塞」を引き起こしてしまうこともあります。
飼い主さんがこまめにブラッシングを行ってあげられる場合は、ブラッシングのみで抜け毛をケアしてあげるのもよいですが、シャンプーによって抜け毛を洗い流してあげるのも効果的です。頻度は1ヶ月に1度くらいを目安にします。
このようにシャンプーの必要性や頻度は、飼い猫の被毛の長さや品種によって検討していくようにしましょう。
シャンプーの仕方を解説
まず、シャンプーをする前に以下のものを準備しましょう。
・猫が入れるくらいの桶(ベビーバスでも可)
・猫用のシャンプー
・スポンジ
・ブラシ
・バスタオル
・ドライヤー
桶が準備できない場合は洗面所でシャンプーを行うのもおすすめです。
猫は狭い場所を好むので、浴室へ入れてシャンプーを行うよりも、体が収まる程度のスペースでシャンプーを行ってあげましょう。
シャンプーの手順
1.猫が滑らないようあらかじめ桶の中にタオルを敷き、シャンプーとお湯(40度前後のぬるま湯)を入れる
2.猫を入れ、手で被毛を首から下に向けて胴体を洗う(※ノミが頭部に逃げないようにするため)
3.背中、尻尾、お腹、足先の順に洗う
短毛種の場合は毛を逆立てながらしっかりと汚れを落とすのもよい
長毛種は毛が絡むので、毛並みに沿って洗う
4.手で一通り洗い終わったら、次はブラシを使って再度被毛をシャンプーする
5.顔周りは、濡らしたスポンジで丁寧に拭く
嫌がる場合はシャンプー後にウェットティッシュを使用する
6.シャンプーを流す
シャワーを猫の体に密着させると驚かせにくい
シャンプー時に猫の肛門嚢(肛門の4時と8時の位置にある袋状の器官)が膨らんでいるときは、肛門絞りといって指で両方の肛門嚢をつまみ、中に溜まっている分泌物を出すのもおすすめですが、専門知識がないと猫に怪我をさせてしまう可能性もあります。
不安な方は自力で行おうとせず、獣医さんに一度相談してみることも大切です。
シャンプー前後にできるケア
シャンプーを行う前はあらかじめ、ブラッシングをし、抜け毛をある程度取り除いておくようにしましょう。そうすれば、排水溝のお掃除も楽になります。長毛種の場合は毛がもつれたままシャンプーを行うと、被毛が絡まってしまうこともあるので、事前のブラッシングは必須です。
また、シャンプーを流すときは猫が怖がってしまうため、頭にシャワーをかけないようにしましょう。猫の被毛は水に濡れると乾きにくい作りをしているので、乾かすときはマイクロファイバーのような吸水性が高いタオルを押し付けるようにして水分を取っていくのもポイントです。足先などの細かい部分は、キッチンタオルを使うのもよいでしょう。
ドライヤーは、ある程度水分が取れてから行います。その際は、猫が風邪を引かないよう、部屋を暖めてあげましょう。目の中にドライヤーの風が入ると嫌がる猫も多いので、手で目を隠しながらドライヤーをかけていくのもおすすめです。ドライヤーの風は弱風をお尻のほうから当てていくと、恐怖感を和らげてあげることができます。
シャンプーを嫌がる場合
飼い猫がシャンプーを嫌がる場合は、部分シャンプーを使用して徐々になれさせていくのも効果的です。部分シャンプーなら全身シャンプーよりも短い時間で、体を清潔にしてあげることができます。
それでも嫌がる場合はドライシャンプーやペット用のボディタオルなどを有効活用していきましょう。ただし、毛づくろいのときに被毛についた成分を舐めてしまうので、安全性の高いものを選ぶことが重要です。
また、シャンプーは抜け毛対策に有効なので、毎日のブラッシングも欠かさず行いましょう。短毛種の場合は1日1回、長毛種の場合はコームを使いながら、1日2回のブラッシングで抜け毛を対策します。