「助けてくれてありがとう」「きっと猫の恩返しがあるよ」釣り人が海に落ちた猫ちゃんを発見→タモ網の破損と引き換えに救出することに成功

猫は予想もしない行動によってトラブルを巻き起こすことがある動物。私たちが何気なく過ごしている日常でも、ある日、突然そんな場面に遭遇することがあるかも知れません。

それは11月のとある日、Xユーザーの坦々(@tantanman1415)さんが、岩手県の山田漁港で釣りをしていた時のこと。今はアイナメやクロソイ釣りのシーズンで、当日坦々さんが釣りしていたポイントは漁船の往来が多い場所であったことから、左右に注意しながらルアーキャスト(仕掛けを飛ばすこと)をしていたと言います。

そんな時、海にいるはずのない生き物を発見。それがなんと猫だったのです。

山田漁港の海の中に落ちて猫掻きをしながら泳ぐ猫
海の中に猫ちゃんが…!!(提供:坦々さん)

その時の様子について「最初見た時は鳥かと思いました。」と振り返る坦々さん。

と言うのも、猫は慌ててバシャバシャともがいたり鳴き叫んだりして溺れている、といったような様子ではなく、むしろ冷静に猫掻きをしながら泳いでいたというから驚き。あまりにも優雅に泳ぐ姿をみて一瞬海鳥に見間違えたのだそうです。

しかし、よく見るとぴょこんと飛び出た耳に、細長い胴体と尻尾。その容姿から猫だと気づいた坦々さんは、魚を捕まえるために持っていたタモ網ですくい上げて、無事に救出することが出来たと言います。

それにしても、この猫ちゃんはなぜ海に落ちてしまったのでしょうか。

もともと山田漁港では猫を見かけることがよくあるのだそうで、居心地が良いためか使われていない漁船に居着いてる猫もいるのだとか。今回の出来事は、そうした猫が漁船から防波堤に飛び移ろうとした時に誤って落ちてしまったのでは…というのが坦々さんの見立て。

とは言え、海に落ちてしまった猫としては絶体絶命のピンチなはず。実際に猫が泳いでいる方向は海に向かって突き出た堤防の先端部分のため、猫が自力で上がれそうな場所ではなかったそうです。

それなのに何故一定の方向に向かって泳ぎ続けていたのか。坦々さんによると「おそらく私のことが目に入って、陸に上げてもらうため私に向かって泳いでいたのかもしれません。」とのことで、猫は最も助かりそうな場所を直感的に判断していたのかもしれません。その後、タモ網を差し出すと、タモ網の方に向かって泳いで来た猫ちゃん。すくい上げて陸に降りると目にも止まらぬダッシュで逃げていったと言います。

もしかすると過去にも海に落ちて釣り人に助けられた過去があるのかも…と思わせられるような一連の行動ですが、11月の海に長い間浸かっていれば猫ちゃんも無事ではすまなかったことでしょう。助かって本当に良かったと思わせられるエピソードです。

一方、猫の命と引き換えに破損してしまったのが、購入から1ヶ月しか経っていないというタモ網。猫の体は普通の成猫ほどのサイズがあり、海に落ちて水分を吸収していたことから、すくい上げる時にしっかりとした重量感があったそうですが、タモ網を壊さずに猫を救えた可能性もあったようです。

海に落ちた猫をすくい上げて折れてしまったタモ網
折れてしまったタモ網

実はこのタモ網は垂直に上に引っ張り上げるのが正しい使い方。

しかし当時は「猫を早く助けなきゃ」との焦りから横方向に掬い上げてしまったのだそうで、坦々さんは「助ける方は冷静にならなきゃならないですね。」と自戒を込めて振り返ってくれました。

坦々さんがSNSのXでこの出来事を報告すると6,000件ほどの”いいね”を獲得。写真を見たユーザーからは「釣り人の鏡」「素晴らしい行いですね」「助けてくれてありがとうございます」「猫にかわってお礼を言います」「きっと猫の恩返しがあると思います」などたくさんのメッセージが寄せられています。

こうした反応についてどのように感じているのか、坦々さんに聞いてみると「猫好き人口多いなぁ…と(笑)私も動物好きで魚やハムスター、モルモット、ウサギを飼育していましたが、猫好きさんの熱量凄いと思います(笑)」と、ネコ好きユーザーからの反響の大きさに感じた驚きの気持ちについて語ってくれました。

取材協力:坦々(@tantanman1415)さん

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