猫を飼いたくてたまらない!そんな女の子の気持ちを描いた物語「わたし ねこが かいたいの」
自分だけのねこが欲しいと願う女の子を描いた絵本作品「わたし ねこが かいたいの」が10月11日に刊行されました。
小さい頃、誰もが抱きがちな「動物を飼いたい」という素朴な思い。
本書はそんな女の子の「ねこが好き!」という気持ちがぎゅっと詰まったお話で、生活感あふれる面構えのさまざまな猫が登場します。
<ストーリー>
わたし、ねこがかいたいの。
なでたり、だっこしたり したいんだ。えほんに のってるみたいな、
おおきくて ふわふわのこが いいな。そうだ、ねこの すきなものをならべてみよう。
けいとだまに、リボン、ミルクをいれたおさら。
ダンボールばこに、しんぶんし。さあ、ねこちゃん、あそびにおいで!
でも、ねこは1ぴきもこなかった。ちっちゃいこねこでもよかったのに。
猫の好きなものを並べて待つ女の子のもとに、やがて町中から猫が集まってきました。1日中猫たちを、好きなだけ抱っこしたり撫でたりして、女の子はとっても幸せな気持ちに。
ところが、ある時、迷い猫のポスターがたくさん貼ってあることを知ります。
自分の元に集まってきた猫たちに、飼い主がいるなんて、思ってもみなかった女の子。
欲しいのは、自分だけの猫だったのに…。
そして気づきます。「みんな、誰かの、愛しい子」だということに。
けっきょく女の子は、猫をせっせと飼い主のもとに届けにゆきます。
そうして、家に帰ると、引き出しに1匹のねこが。さらに驚くことに…!?
圧巻なのは、画面いっぱいに猫たちが描かれたシーン。
白ねこ、ぶちねこ、キジねこ、トラねこ、うずまきねこ…さまざまな猫が登場するため、ストーリーを楽しむのはもちろん、お気に入りの猫を見つけたり、全部で何匹の猫がいるのか数えてみるのも面白そう。
作者は英国イングランド在住の絵本作家、ミシェル・ロビンソンさんで、自身が子どもの頃、ねこが飼えるようになるまでずっと、ねこの絵本を抱き締めて寝ていたという無類のネコ好き。一方、イラストを手がけた台湾在住の画家チンルン・リーさんも現在たくさんのねこと一緒に暮らしている愛猫家で、絵本の献辞には出てくるすべてのねこの名前を記したと言われるほど。
そんな猫好き作家による猫への愛を詰め込んだ本書は、猫を飼っている人もそうでない人も、女の子と猫たちのふれあいに心が温かくなるような絵本作品となっています。
作者:ミシェル・ロビンソン
絵 :チンルン・リー
翻訳:三原 泉
仕様:A4変型判/33頁/ハードカバー
対象:3、4歳から小学校低学年
発売:2019年10月11日
(C) Iwasaki Shoten.