社会化期に猫を慣れさせる
猫には「社会化期」と呼ばれる期間があります。
社会化期は「生後2週〜9週」の時期のことで、この間に色々な体験をさせておくと、社交的で人間社会で飼いやすい猫になると言われています。
社会化期を過ぎてしまうと猫は警戒心が強くなり、新しいことや体験を受け入れにくくなります。猫を動物病院に連れて行こうとしたり、爪を切ろうとすると激しく抵抗するのは、社会化期にそういった体験をあまりしてこなかったことが要因となりやすいのです。
人間と暮らしていて普通に遭遇することを受け入れられなくなると、猫や人間にとってもストレスになってしまいます。
では具体的にどのようなことを体験させたら良いのか、主なものを挙げていきますので参考にしてみてください。
動物病院に慣れさせる
動物病院にはワクチンや健康診断で最低でも年に1回は行くことになると思いますが、急病や大怪我をしてしまった場合や、動物病院の営業時間ギリギリになってしまった場合には、素早く猫をキャリーバッグに入れて動物病院に向かいたいところ。
しかし猫の勘というのは鋭いもので、動物病院に連れて行かれるのが嫌いな猫は、飼い主さんが支度を始めようとするとすぐに危険を察知して、逃げまわったり隠れたりしてしまいます。急を要する時にそんな事態は避けたいので、動物病院に連れて行くことに慣れさせてあげましょう。
爪切りに慣れさせる
猫は自分で爪とぎをする動物ですが、人間がお手入れしないと長い爪が残っているのが普通です。爪が長いと猫や人間が怪我をする元になりやすいので、飼い主さんが切ってあげる必要があります。
特に猫が年をとると爪とぎをする回数も減って長い爪が残りやすいので、若い時よりこまめに切ってあげなければなりませんが、爪切りが嫌いな猫は、飼い主に全力で抵抗して時には威嚇してきます。そのような事にならないように社会化期に慣れさせましょう。
歯磨きに慣れさせる
歯磨きをしないと歯の隙間に歯垢が溜まってしまい、歯周病になってしまう可能性が高まります。歯周病になると口臭がきつくなり、飼い主さんが不快な思いをするだけでなく、歯周病の治療には全身麻酔をして歯垢を除去することが多いので猫の体にとって負担になってしまいます。
薬を飲むのに慣れさせる
成猫になってから病気や体調を崩すと、動物病院で薬を処方されることがよくあります。動物病院では獣医さんや看護士さんが薬を飲ませてくれますが、家に帰ってからは飼い主さんが飲ませなければなりません。
抵抗されてうまく飲ませられないと、猫の身体にとってもよくありませんので、社会化期に慣らしておくと大人になっても薬を飲むのをあまり嫌がりませんので、後々楽になります。
車や電車の移動に慣れさせる
猫は完全室内飼いで飼育される方が多いと思いますが、それでも動物病院やペットホテルに連れて行ったり、帰省で一緒に連れて帰ったりして、猫と移動しなければならないこともあるでしょう。そんな時、車や電車での移動に慣れていないと猫にとってはこれまたストレスになりますので、慣らしておいて損はないでしょう。
飼い主以外の人間に慣れさせる
猫を飼っていると、猫を見るために友人や知人が家に遊びに来ることもあると思いますが、社会化期に飼い主さん以外の人間とあまり触れ合ったことがない猫は、大人になると臆病で人見知りな性格になりがちです。
「知らない人間が帰るまでは絶対に姿を見せません!」という猫も結構いるようですので、色んな人に慣れさせおくとよいでしょう。
他の動物に慣れさせる
他の猫や犬などの動物に慣れさせましょう。特に将来もう一匹猫を飼いたいと思っていたり、犬を飼いたいと思っている場合は、猫が社会化期の間に触れ合わせておかないと、他の動物に対して攻撃的な性格になってしまい仲良くさせるのが難しいかもしれません。
生活家電の音に慣れさせる
皆さんの家にはいろいろな生活家電があると思いますが、音が大きかったり動いたりする家電は、慣れていない猫だと怖がってしまうことがよくあります。例えば掃除機(ルンバなどの自動掃除機を含む)、扇風機、サーキュレーターなどですね。
こうした家電を動かすたびに猫が怖がってしまうと、ストレスを感じる回数も多くなってしまい、体調の悪化へと繋がりかねません。特に猫と一緒に多くの時間を過ごすであろうリビングでよく使う家電は、社会化期に慣らしておいた方がよいでしょう。
生まれて2ヶ月くらいを経過してしまうと、もう社会化期の期間を過ぎてしまうので、子猫のうちに猫を迎え入れるチャンスがあった場合は、さまざまなことを体験させておくことをお勧めします。