アイペット損保、従業員向けにペットのための休暇制度を導入
近年は猫や犬を始めとするペットを「飼っている」と感じている人より、「一緒に暮らしている」と感じている飼い主が増えており、ある調査では81%もの飼い主が「常にペットを家族の一員と感じている」と回答しているほど、そうした考え方が一般化してきました。
そのような中、ハートのペット保険を提供している「アイペット損保」は、2016年7月1日、猫または犬と同居している従業員を対象に、ペットに関する休暇制度を導入したと発表しました。
ペット休暇制度の概要
■ペット死亡時の忌引き
同居している猫または犬が亡くなった際、1頭につき3日間の休暇を取得できる。
(兄弟が亡くなった期間に相当する)
■ペット休暇
猫または犬と同居している従業員は、1年につき2日間のペットと過ごす休暇を取得できる。
※いずれの場合も、休暇制度の利用に際してペット保険の加入有無は不問とする
休暇制度を導入した背景
同社によると、ペットと一緒に暮らしている自社の従業員は全体の約33%にのぼり、平均的な飼育世帯率(犬14.4%、猫10%)を大きく上回っているほか、今は一緒に暮らしていなくても過去にペットと暮らした経験のある従業員が全体の64%にも上ることから、同社の従業員がペットを家族として迎えている比率は高い水準にあるとしています。
加えて、同社の経営理念が「ペットとの共生環境の向上とペット産業の健全な発展を促し、潤いのある豊かな社会を創る」であることから、ペット飼育者にとっても働きがいのある環境を整えることは、ペット保険を取り扱う会社として率先して取り組むべきことだ、との考えから今回の制度導入に至ったとしています。
また、「ペットは家族」であるという考えが前提にあるため、ペット死亡時の忌引き期間は従業員の祖父母・兄弟・姉妹が亡くなった期間と同水準の3日間に設定しているとしています。
アメリカ国内では最近、ペットの死を悼む時間を与える休暇制度を導入する企業が増えていると言われており、こうした制度を導入する背景には、人が死んだ時と同じ悲しみに襲われる「ペットロス」の存在が指摘されています。
今回、アイペット損保で同様の制度が設けられたことは、ペットと事業が密接に関係している企業であることも大きく影響していると考えられますが、冒頭で触れた調査結果のように日本でもペットを家族の一員として感じている飼い主が増えていることから、今後は同様の動きが広がることが期待されます。