猫の性格の違いについて解説(品種、性別、手術後など)
猫は「みんなマイペースで気ままな性格をしているのでは?」と思われがちな動物ですが、実際には性別や猫種、飼い方などによって性格に違いが表れます。
このページではまず猫の基本的な性格を踏まえたうえで、性格の違いが見られるケースについて解説していきます。
猫の基本的な性格とは?
ライオン以外のネコ科動物は群れずに単独行動をしているため、自分の気持ちを大切にしながら生活をしています。犬は飼い主さんのことを群れのボスだと思うものです。
しかし、猫は違い、一説によれば、猫は人間のことを自分と同じ動物だと認識しているといわれています。そのため、猫は猫相手にする遊びで人間とコミュニケーションを取ろうとするのです。
一方、完全室内飼いが主流になってきた近年は、猫と人間の距離が近くなり、犬と同じくらい飼い主さんに甘える猫も多くみられるようになってきました。猫はマイペースだというイメージが強いかと思いますが、飼い主さんの帰宅時には必ず玄関で待っていたり、部屋の中をついて歩いたりと、人間の生活スタイルに合わせた行動をとることもあるのです。
そして、猫は犬のように「飼い主さんが起こるからイタズラをやめよう」と思うのではなく、「バレないようにイタズラをしよう」と考えるため、しつけが行いにくいのも特徴。猫とうまく付き合っていくためにはしつけを頑張るよりも、飼い主さんが良い対策法を考えていくことが大切です。
猫によって性格の違いはあるの?
■オスとメスによる性格の違い
猫は、性別によって性格に違いがみられることもあります。
一般的にオスはメスよりも甘えん坊な性格をしているため、飼い主さんにスリスリすることもあるでしょう。また、オスは愛情豊かな性格をしている子が多く、おうちに新しい猫を迎えいれたときにかわいがってくれる子も多いものです。
対してメスは、ツンデレな性格をしている子が多いでしょう。例えば、一定の距離感を保ちながら飼い主さんとスキンシップを取ったり、ふたりっきりの空間でないと甘えなかったりすることもあります。
ただし、こうした性格の違いはおうちに迎えたときの年齢や飼育法によっても変わるため、あくまでも目安程度にしておくのがおすすめです。
■猫種別による性格の違い
猫は、毛の長さによっても性格に違いが見られます。一般的に、短毛種は長毛種よりも活発な性格の子が多いのが特徴です。長毛種は突然変異で産まれた品種を人の手によって改良しているため、飼いやすくて狩猟本能が強くない個体が多いとされています。
そして、毛の長さだけでなく、猫種によっても性格には違いが見られるでしょう。例えば、アメリカンショートヘアやアビシニアンといった猫種は活発な性格をしているのに対し、ラグドールやペルシャなどはおっとりとした性格をしています。
さらに、猫種の中にはベンガルのように野生のヤマネコの血を受け継ぎ、ワイルドな性格をしている品種もいるので、飼育前には大まかな性格を調べるようにしてみましょう。
■毛色や模様による性格の違い
毛色による性格の違いは、科学的には明らかにされてはいません。しかし、猫を飼っていると大まかな性格の違いがあると感じることも多いようです。
例えば、日本人に好まれやすい茶トラは温厚で甘えん坊な性格をしていたり、キジトラは猫の祖先であるリビアヤマネコと同じ柄をしているため、一番野性味があると言われたりする傾向があります。
去勢・避妊手術をすると性格は変わるの?
去勢手術や避妊手術を行うと、性格が穏やかになります。
特にオスの場合は、なわばり争いやメスを巡る喧嘩のストレスなどから解放されるため、より甘えん坊な性格になるでしょう。メスの場合も、マイペースな性格から一転し、子猫のような無邪気さを見せるようになることも多いものです。
手術後はまれに性格が凶暴になることがあります。しかし、これは手術が怖くて神経質になっていることが原因なので、数日経てば穏やかな性格に戻ってくれるでしょう。
飼い方によって猫の性格は変わる?
飼い猫の性格は、成長段階によっては変えることができます。
中でも受容性が高い子猫期は性格の形成に大きな影響を与えるため、後の飼育のしやすさを考えて、人間や他の動物にたくさん触れさせていくのもよいでしょう。子猫期にたくさんスキンシップをとってあげると、大人になってからも甘えん坊で自信を持った猫になってくれます。
一方、ある程度性格が形成されている成猫や老猫の性格は変えにくいものです。
特に人間に対して嫌な体験をした成猫や老猫は構われることがストレスになってしまうこともあります。トラウマを負っている猫はこまめに手からご飯をあげたり、ブラッシングなどでスキンシップをとってあげたりすれば人馴れしてくれることもありますが、そうした行為自体がストレスになってしまうこともあるので、注意が必要です。
急な性格の変化は病気の可能性も
甘えん坊だった飼い猫の性格が急に攻撃的になった場合は、甲状腺機能亢進症という病気を引き起こしている可能性もあります。甲状腺機能亢進症はシニア期に発症しやすく、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることによって引き起こる病気です。
症状としては食欲が増したり活発になったりするため、早期に発見することが容易ではありません。甲状腺機能亢進症は血液中のホルモン値を調べることで発見できるので、定期健診のときに検査をしてもらうのもおすすめです。
また、甲状腺機能亢進症以外だけでなく、認知症も猫の性格を変える病気のひとつ。完全室内飼いの猫は外で暮らしている猫よりも得られる刺激が少ないため、認知症の発症率が高くなります。
飼い猫の性格が変化する裏にはこうした病気が潜んでいることもあるので、日頃から体調管理に気を配るようにしたいですね。