ふしぎな猫のお医者さんの活躍を描いた童話「ねこの小児科医ローベルト」

夜中に具合が悪くなった子どものところに来てくれる、不思議な猫のお医者さんの活躍を描いた幼年童話「ねこの小児科医ローベルト」が3月1日に偕成社から刊行されました。

絵本作品「ねこの小児科医ローベルト」の表紙
幼年童話「ねこの小児科医ローベルト」

本書は、白衣をきた猫のお医者さん「ローベルト」をむかえた一家の、一夜のできごとを描いた物語。

<あらすじ>

ローベルトは、夜中に具合が悪くなった子どものところに来てくれるお医者さんです。
今夜はどの家にやってくるのでしょうか? 

夜中に吐いたり、お腹が痛くなったりして、ぐったりしてしまった男の子ユウくん。

母親が子どもを抱っこして運ぶシーン by ねこの小児科医ローベルト

お父さんが「小児科」の病院に片っ端から電話をかけても、つながりません。

そのとき、お姉ちゃんのユキちゃんが偶然見つけたのは、「夜間救急専門小児科医 松田ローベルト」という番号でした。かけてみると、さっそく家へきてくれるというのです。

そうして待っている家族のもとに現れたのは、白衣をきた猫。

猫のお医者さんローベルトは、てきぱきとユウくんに経口補水液をのませ、「ロタウイルスによる症状ですね」と診断してくれます。翌日になると、ユウくんはすっかり元気になっていました。

ところが、両親は昨夜のできごとを何も覚えていません。
そして、ローベルト先生も意外な姿に…。

小さな子どもであれば、必ずかかってしまう胃腸炎。しかし夜中に苦しみだすと、近くに開いている病院もなく、救急車を呼んでいいのかも分からない…。

そんな時に駆けつけてくれて、家族の心細さや不安にそっと寄り添い、子どもたちだけでなく、子育て中のお父さんやお母さんも励ましてくれる、猫のローベルト先生のお話です。


 

本書は小説家の木地雅映子(きじ・かえこ)氏と、漫画家の五十嵐大介(いがらし・だいすけ) 氏によって制作された幼年向けの童話。

木地氏はデビュー作となる「氷の海のガレオン」で群像新人文学賞優秀作を受賞して以来、「悦楽の園」「マイナークラブハウス」シリーズ、「あたたかい水の出るところ」「夢界拾遺物語」などの著作を発表している小説家。一方の五十嵐氏は、文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞作の「魔女」をはじめ、日本漫画家協会賞優秀賞・文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞作である「海獣の子供」など、独特の世界観と美しい絵で人気を博している漫画家。

2007年の「悦楽の園」(ポプラ社)以来となる両者がタッグを組んだ本作は、木地氏にとって初めての幼年童話。自身の子育て体験の壮絶なトラウマをきっかけに誕生した作品で、「子どもたちが毎日元気で暮らせるように、無事に大人になれるように」との思いが込められており、あたたかく、やさしい作品に仕上がっています。

また、嘔吐してぐったりした子どもや、ゲロだらけの子を抱えてお風呂場へ向かうお母さん、魔法のような存在感のローベルト先生など、物語を彩る五十嵐氏の挿し絵にも注目。

猫のローベルト先生がバイクで駆けつけたシーン by ねこの小児科医ローベルト

読み終わった後には「こんなお医者さんいたらいいのに」と、思わず電話帳でその名前を探してしまいそうになる、そんな一冊となっています。

書名:ねこの小児科医ローベルト
作 :木地雅映子(きじ・かえこ)
絵 :五十嵐大介(いがらし・だいすけ)
頁数:72ページ
出版:偕成社
対象:小学校中学年〜

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