猫の歯磨きの仕方や頻度、嫌がる場合の対処法などについて解説

猫の中には歯磨きが嫌いな子も少なくありませんが、近年は猫が嫌がらないように玩具やオヤツなどを用いた歯磨きグッズも販売されるようになってきました。しかしながら、飼い主さんの中には、猫にとって歯磨きは本当に必要なのか?疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。

このページでは、猫の歯の構造を紹介しながら歯磨きの必要性や磨き方などについて詳しく解説していきます。

 


猫の歯の構造

猫は生後2週間くらいから歯が生え始め、生後1ヶ月頃には26本の乳歯が生えそろいます。その後、生後3ヶ月から永久歯に生え変わり始め、生後6ヵ月頃には30本の歯が生え揃います。

その構造は「切歯」「犬歯」「前臼歯」「後臼歯」から成り立っています。

<切歯(せっし)>
人間でいう前歯の位置についている切歯は、上下に3対ずつついています。この歯は食べ物を引き裂いたり、獲物の毛などをむしったりする役割があります。また、毛づくろいをする時にも活かされるため、猫にとっては欠かせない歯だといえるでしょう。

<犬歯(けんし)>
切歯の左右に位置する犬歯は上下に1対ずつあります。犬歯の歯根は顎の骨の中に深く収まっているため強く噛むことができ、先端は鋭く尖っているため、仕留めた獲物に深い傷を負わせるなど武器としても活かされます。

<前臼歯(ぜんきゅうし)>
前臼歯は犬歯の後ろに位置しており、上下に3対ずつあります。人間の歯とは違って平らな形をしていないため上下がピッタリと噛み合うのが特徴で、獲物や食べ物を引きちぎる時に使用されます。

<後臼歯(こうきゅうし)>
上顎にのみ存在する後臼歯は前臼歯の後ろに1対あり、他の歯よりも小さく生え変わらないのが特徴で子猫には見られません。臼歯は食べ物をすり潰すときに使われますが、猫はもともと餌をよく噛んで食べる習慣がないので、臼歯の先端も尖っています。

 

猫に歯磨きは必要なの?

猫の歯は菌が溜まりにくい形状になっており、口内も菌が繁殖し難いアルカリ性に保たれているため、人間と違って虫歯にはなりません。しかし、歯石や歯垢が原因で歯周病を引き起こしてしまうことはあるため、歯磨きは子猫のうちから習慣化させておくことが望ましいと言えます。

中でも気を付けたいのが「歯頚部吸収病巣(しけいぶきゅうしゅうびょうそう)」という猫特有の病気です。

この病気は歯が根元から溶けていき、顎の骨に吸収されてしまうのが特徴で、予防法はなく治療法として抜歯が検討されることもあるため、猫に強い負担を与えてしまう可能性も高いでしょう。こうした病気を防ぐためにも、キャットフードによる歯石や歯垢をケアしてあげることが大切なのです。

 

猫の歯磨き頻度は?

猫は3~5日程度で歯垢が歯石化すると言われています。そのため、可能であれば1日1回の歯磨きを習慣化させるのが望ましいですが、毎日歯磨きをするのが難しいという場合でも2日に1回程度は歯磨きをしてあげましょう。

歯石は食後に溜まりやすくなるので、猫が食事を終えた時を見計らって歯磨きを行うと良いでしょう。

 

猫の歯磨きの仕方

基本的な猫の歯の磨き方は以下のようなステップになります。

1.猫の頭を持ち、後ろの方へ引っ張る
2.頭を持っているほうの手で、唇を軽く上に持ち上げる
3.歯石のつきやすい前臼歯や後臼歯を特に念入りに磨く(歯ブラシの角度は45度)

歯磨きは左右に細かく動かしながら行っていくのがポイントです。磨く時間は、猫の様子を見ながら徐々に長くしていきましょう。臼歯や歯の裏側は最初からチャレンジしようするとハードルが高いので、まずは磨きやすい切歯から始めてみるのもおすすめです。

そして歯磨きを行う時は、必ず猫用の歯ブラシを使用しましょう。人間用の歯ブラシは大きすぎるため猫の口腔内を傷つけてしまう可能性があります。どうしても手元にない場合は、ベビー用の柔らかい毛先のもので代用することも可能です。

また、歯ブラシに慣れてきたら歯磨き粉を使用するのも良いでしょう。ただし、人間用の歯磨き粉を使用してはいけません。特にキシリトールが含まれているものは低血糖の原因になるので注意が必要です。一方、猫用の歯磨き粉には猫の興味を惹きつけやすい味付けがされているので、歯磨きもしやすくなるはずです。

 

猫が歯磨きを嫌がる場合の対処法

<ガーゼで歯垢を除去する>
猫が口の中に歯ブラシを入れるのを嫌がる場合は、指に濡らしたガーゼを巻いて歯の歯垢を除去してあげましょう。歯ブラシだと抵抗してしまう子でも、飼い主さんの手なら口の中に入ってきても平気という場合があります。手を入れるのが不安な場合は、万が一噛まれても良いように手袋などを使用するのもおすすめです。

この時、ガーゼに水ではなく、ササミの茹で汁などを染みこませるのもよいでしょう。好みの味付けが口の中に入れば、猫も抵抗を示しにくくなります。

<口を触ることから慣れさせる>
歯磨きが習慣化されていない場合は、そもそも口の周りを触られるだけで嫌がってしまう場合も多いはずです。こうした子には、まず口の周りを触ることから慣れさせていきましょう。ポイントは、いきなり歯を触ろうとしないことです。口の周辺を触られることに慣れてきたら、次は唇に触れたり、口を開けさせたりしてみたりと、段階的に進めていくようにしましょう。

<歯磨き効果のあるオヤツや玩具を使う>
口の周りも触らせてくれない子には、噛むことで歯磨き効果があるオヤツや玩具を試してみるのも手です。オヤツを与える時はパッケージに記載されている合成保存料などにも注目しながら選んでいきましょう。

また、猫が歯磨き効果のある玩具で遊ばない場合は、またたびを振りかけて興味を惹いてみるのも効果的です。楽しみながら歯磨きを行うことができれば、飼い猫にストレスを与える心配もありません。