猫を探して迷い込んだお屋敷のヒミツとは…?最後にはホッとできる怖い絵本「ばけねこ」

「おばけ話のスタンダードを子どもたちに伝える」をコンセプトにした絵本シリーズの最終巻『ばけねこ』がポプラ社より刊行されました。

ポプラ社のおばけ話絵本シリーズ『ばけねこ』表紙イメージ
表紙イメージ

日本には古くから「おばけ」を題材にした話しがたくさん語り継がれていますが、それらは単に人々を恐がらせるためだけのものではなく、戒めや教訓といった、人間が生きて生きていくうえで大切なメッセージも込められています。

しかし、小さな子どもの中には「おばけ」の話を聞くと怖くて不安になってしまい、ひとりでトイレに行けなくなってしまう……という子も少なくありません。

本書は児童文学作家の杉山亮さんによる、語りつぎたい「おばけ話絵本シリーズ」の第5弾で、日本各地に伝わるおばけ話を元にストーリーを創作。キャラクター化されたおばけではなく、おばけ本来の怖さとその物語を伝えながらも、読んだ子供たちが夜には安心して眠りにつけるように工夫が凝らされています。

テーマは全国にさまざまな伝説が残る「ばけねこ」。
物語はむかしむかし、ある女の子が可愛がっていた猫のタマが、いなくなってしまうところから始まります。

父親から、年をとった猫が最期の時をむかえる「ねこみみやま」の存在を知らされるも、そこから帰ってきた村人は誰もいないため、行くことを禁じられてしまう女の子。しかし、どうしてもタマに会いたい一心でひとり山へ向かうことに。途中、霧が立ち込めて道に迷ってしまい困っていると、明かりが灯っている一軒の家を見つけます。

おばけ話絵本シリーズ『ばけねこ』に出てくる屋敷の中のイメージ
中にはたくさんの人や猫が

<あらすじ>
“いままで「ねこみみやま」に いった むらの ものは、だれも かえってこない。
あそこには なにか おそろしいことが ある。いってはいかん――”

かわいがっていた猫がいなくなり、辺りを必死に捜す女の子。父親が止めるのも聞かずに、「ねこみみやま」へと捜しに出かけます。しかし、森の中で道に迷ってしまいました。そんな時、何やら明かりのついたお屋敷がぽつんと一軒。女の子は助けを求めて、お屋敷の中へと足を踏み入れますが…。

軽妙かつ迫りくる文章に、優しいタッチで描くイラストを添えているのは絵本作家のアンマサコさん。どこか懐かしい風合いの絵でありながら、何とも言えない不気味さを放っています。

怪しげな表情のおかみさん by おばけ話絵本シリーズ『ばけねこ』のワンシーン
女の子を見つめる屋敷のおかみさん

「子どもたちに、怖いという気持ちを引きずったまま、本を閉じてほしくない」と語る作者の言葉どおり、最後にはホッと安心してにっこりできるオチが用意されている本書。

怖いけれど、おかしくもあり、ドキドキしながら思わず引き込まれてしまう、子どもでも怖さを楽しめる絵本作品となっています。

書名:ばけねこ(おばけ話絵本5)
作者:杉山 亮
作画:アン マサコ
仕様:A4変型判/32ページ
発売:2021年7月9日

<参考>
家出した猫はどこに行くのか?謎に包まれた空白の時間を描いた絵本「なぁなぁ、あそぼ!〜」
またたびハンバーグが美味しそう!世にも不思議な猫世界のスピンオフ絵本「ねこのようしょくやさん」
ねことプレゼント探しの旅に出かけよう!全編リトグラフで描いた絵本「ふしぎなニャーチカ」

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