長野の山中で猫20匹が遺棄された疑い、市民らが全て引き取る

4月25日から5月2日にかけて、長野市信州新町地区の山中で捨てられた疑いのある猫が多数発見され、長野市保健所に保護されるという報道がありました。

保護されたのは推定年齢が4ヶ月から3歳までの計23匹の猫です。

 


事態の概要

保健所によると、住民から山中の浄水場付近に十数匹の猫がいるとの連絡があり、現地を調査したところ多数の猫を確認。その後、数日かけて猫の発見と保護を繰り返したとしています。

保護された猫は餌が与えられていた様子がなく空腹で衰弱していた猫もおり、その多くは人に慣れていて周辺に住宅もないことから、遺棄されたものと見られています。

 

保護された猫は全て引き取られる

長野市の保健所は保護した猫を殺処分しない方針で、飼育できる人に譲渡する意向を示しつつ、妊娠出産の適齢期を迎えているメス猫については市内の動物病院の協力で不妊手術を進めていきます。

その後「猫を引き取りたい」といった問い合わせが相次ぎ、多くの希望者が保健所を訪れため、書類申請を経て審査を行い、5月13日までに全ての猫が市民らに引き取らていきました。

発見から3週間という短い期間で20匹を超えるすべての猫の譲渡に至ったのは、自治体や市民らの迅速な行動によるものと言えるでしょう。

 

長野県の猫の収容状況

長野県における猫の引取・返還・譲渡・殺処分数によると、近年は猫が自治体に引き取られる数は減少しており、それに伴い殺処分される猫の数も減ってきています。

■長野県:猫の引取り数
長野県:猫の引取り数

■長野県:引き取られた猫の処置(譲渡/返還/殺処分件数)
長野県:引き取られた猫の処置(譲渡/返還/殺処分件数)

また、県内の猫の譲渡数はここ2〜3年で伸び悩んでいますが、平成26年度で573件と全国的には高い譲渡数を維持していますので、今回見つかった猫たちが遺棄されたものだとすると、自治体や住民による猫の殺処分を減らす取り組みに水を差した格好となります。

なお、猫が山中に捨てられた疑いのあることについては、長野市の保健所から通報を受けた長野中央署が動物愛護法違反の疑いで捜査を行っています。

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