全国にある10の猫島を現地取材した書籍「にっぽん猫島紀行」

全国にある10の猫島を巡って取材した書籍「にっぽん猫島紀行」が先月出版されました。

にっぽん猫島紀行

全12章からなる本書は、著者が猫島と呼ばれる島々を実際に訪れ、そこで見聞きした体験を元に記された滞在記のような形で各章が成り立っており、全部で10の猫島が紹介されています。

猫島・佐柳島(香川県)の猫 by にっぽん猫島紀行佐柳島(香川県)

猫島・男木島(香川県)の猫 by にっぽん猫島紀行男木島(香川県)

第1章. 相島(福岡県)
第2章. 男木島(香川県)
第3章. 地島(福岡県)
第4章. 田代島(宮城県)
第5章. 青島(愛媛県)
第6章. 真鍋島(岡山県)
第7章. 佐柳島(香川県)
第8章. 男木島再訪(香川県)
第9章. 天売島(北海道)
第10章. 竹富島(沖縄県)
第11章. 志々島(香川県)

猫島・竹富島(沖縄県)の猫 by にっぽん猫島紀行竹富島(沖縄県)

「猫にとっての天国は都会にはない。むしろ少子高齢化が象徴的にすすむ島々こそ猫にとってのパラダイスなのである。」と指摘する本書は、北海道から沖縄まで全部で10の猫島と人々の暮らしの実像に迫ったノンフィクション。

著者は月刊「ねこ新聞」にて猫エッセイ「11匹のネコ行進曲」などを執筆している作家・ノンフィクションライターの瀬戸内みなみ氏。

「猫島」と聞くと徒歩で一周できそうな大きさで猫がたくさんいる楽しそうな島・・という画一的なイメージで取り上げられることも多いですが、島にはそれぞれの歴史があり、伝統や風習も違えば、猫の数や猫との距離感も異なります。

猫島・田代島(宮城県)の猫 by にっぽん猫島紀行田代島(宮城県)

本書では著者が現地の人々の話に耳を傾け、島内を歩きまわって猫を観察しながら、島の人達や猫を取り巻く状況が明らかになっていく様子が綴られています。

猫を目的で訪れた人が猫以外の島の魅力を感じてくれる島もあれば、島民が観光地として賑わうことを望んでいない島もあり、また島外のNPOによるTNR活動(猫に不妊手術を施して元の場所に戻すこと)の推進に戸惑う島もあります。

そのような実態を通して見えてくるのは、猫島にはそれぞれの島に合った猫との付き合い方、共存の仕方があるのだろうということ。

猫島・真鍋島(岡山県) by にっぽん猫島紀行真鍋島(岡山県)

猫島・真鍋島(岡山県) by にっぽん猫島紀行真鍋島(岡山県)

また最終章では「ねこの秘密 (文春新書)」や「ねこはすごい (朝日新書)」などの著者で、猫博士として知られる西南学院大学准教授の山根明弘氏のロングインタビューも掲載。

「猫の状態というのは結局、人間社会の反映なんですよね。そこにひずみがあれば、弱い存在である猫にしわ寄せが行く。」と語る同氏は現在、人間と猫が穏やかに緩やかに共存していく方法がないか模索するため、福岡県の相島で120〜130匹の猫を識別して調査を続けており、今後の展望などについても語っています。

猫島・田代島(宮城県) by にっぽん猫島紀行田代島(宮城県)

各章の末尾には著者が島を訪れた日付が記載されているので、書かれている内容がいつ頃の話なのか分かるようになっています。猫島に興味を持っていたり訪れてみたいと思っている方には大いに参考になることでしょう。

さまざまな猫島の実態を通じて、島に住んでいない読者も人間と猫との共存のあり方を考えさせられる、そんな一冊となっています。

画像提供:(C) Eastpress

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